いよいよ、平成14年5月10日、東京・竹橋のKKRホテル東京で、40周年記念式典を迎えた。式典の前に、第41回通常総会が開催され、平成13年事業報告・決算報告、平成14年度事業計画案・収支予算案などが原案通り採択された。また、任期満了に伴う役員改選については、同一業界出身理事を2分の1以下とする「公益法人の設立許可及び指導監督基準」に沿って以下の通り選任された。
再任 | 理事 会長 | 浅野 勉 | 尚山堂会長 |
再任 | 理事 副会長 | 柚木 善清 | 日本テトラパック社長 |
再任 | 理事 副会長 | 羽田 昭彦 | 日本製紙取締役 ピュアパック事業本部長 |
新任 | 理事 副会長 | 稲葉 弘文 | 三陽パックス社長 |
新任 | 理事 | 梶山 茂 | 東洋製罐 マーケティング部長 |
新任 | 理事 | 三浦 登 | 東罐興業冷菓・乳製品 コップ販売部長 |
新任 | 理事 | 奥崎 政美 | 女子栄養大学教授 |
新任 | 理事 | 森地 敏樹 | 前日本大学 生物資源科学部教授 |
新任 | 理事 | 片岡 辰雄 | 元東京都参事 |
新任 | 理事 | 神埼 文次 | 日本乳業技術協会 |
新任 | 理事 | 小西 靖子 | 消費科学連合会企画委員 |
新任 | 理事 | 佐々木春夫 | 日本包装技術協会専務理事 |
再任 | 監事 | 加藤 広光 | アイピーアイ取締役 営業本部長 |
新任 | 監事 | 藤岡 智靖 | クレスコ社長 |
なお新任の顧問として難波江氏(前日本乳業協会専務理事)が選任された。
平成14年度の主な事業計画そしては新体制のもとで、今後予想される問題に対処するため各部会との連携、調整を図り引き続き検討して行くこととした。
部会は理事会の下に ①新容器・新素材研究検討審議会 ②コップ型容器部会 ③紙容器部会④乳栓部会を設けられ各部会活動や勉強会を開催し、乳等の容器包装の衛生、安全性や表示などの対応を進めていくことした。また引き続き ①厚生労働省の食品衛生法の表示、乳等省令の容器包装の規格基準、農林水産省におけるJAS法の表示等、当協会に及ぼす問題も想定し、情報収集と伝達に努める。②容器包装リサイクル法の施行に伴い、リサイクル推進協議会との連携と情報の収集。③ダイオキシン、環境ホルモン等の環境問題については引き続き情報収集と提供に努める。④官庁、関係団体との連携強化では、関係当局の動きの把握に努め、情報収集を行い、会員への伝達に努め、協会の主催する各種部会へ担当官の出席を仰ぐ。⑤関係団体が主催する研修会などに参加し、情報交換等と情報収集を図る。⑥公益法人新指導基準の対応については、新指導基準に基づいた、定款変更(平成13年12月18日認可)し、新定款に則した対応を理事会において中審議し、その実行を図る。⑦ブロック会議を関東のほかに、関西でも実施する。⑧協会事業内容等の周知のためのホームページを近く開設する。以上の事項が審議承認され、新体制がスタートした。
第41回通常総会を終了して、同日、協会は創立40周年記念式典をKKRホテル東京で開催した。前述した通り、(社)全国乳栓容器協会創立40周年記念事業準備委員会が平成13年6月4日に審議を開始して以来、準備してきた記念式典が開始された。浅野勉会長の挨拶から始まり、尾嵜新平厚生労働省食品保健部長の祝辞に続いて青島靖次事務局長が協会40年の歩みを報告した。
浅野勉会長は、「当協会は、乳等の容器包装における衛生を第一に活動を行ってきた。この40年間で、幸い容器包装を要因とした大きな問題はなかった。今後も衛生を一義として活動を続けていく。また牛乳等の情報を伝えるための表示も容器包装の重要な役割であり、この分野における努力も続けて行きたい。牛乳容器は単なる入れ物ではない。中身の牛乳を飲み、成長し、健康になりたいと願う人々に牛乳を衛生的にお届けする役割を担っている」と挨拶した。
尾嵜新平厚生労働省食品保健部長は「食生活の多様化と食をめぐる環境が大きく変化しており、消費者は食品の安全性に対する関心がますます高まって
いる。今後も高品質な容器包装を提供するため、各種容器等の自主基準の作成など、協会の取り組みに期待したい」と祝辞を述べられた。
続いて青島靖次事務局長が協会40年の歩みについて以下の通り報告した。
昭和33年12月に任意団体「日本牛乳キャプ協会」が産声を上げ、同35年中頃より協会をより公益性の高いものにしようとの意識が高揚し、社団法人化への動きが活発になった。かくして同36年12月4日、「社団法人日本牛乳キャップ協会」が設立された。その後、紙容器の普及に伴い、紙容器メーカーも参加したのを機に、昭和42年7月に「社団法人全国乳栓容器協会」として新たにスタートした。乳等の容器包装の規格化や自主基準の制定など、衛生・安全面での取り組みを中心に活動を進めてきた。また最近では、PETボトル等樹脂容器の基準作成など、新素材の研究も進めている。
その後、表彰式が行われ、弘野栄太郎氏(弘野牛乳用品社長)ら九氏に厚生労働省食品保健部長感謝状、島崎邦夫氏(元日本テトラパック)ら四氏に(社)全国乳栓容器協会会長表彰状、また、食糧タイムス社に同感謝状が贈られ、受賞者を代表して弘野栄太郎氏が謝辞を述べられた。(表彰者は先述の通り)続いて、乳業界を代表して(社)日本乳業協会中山悠会長の祝辞を頂いた。
中山悠会長は「この40年間で飲用牛乳の生産量は四倍に成長したが、これも容器があったからだ。今後も乳等の衛生、品質の向上に容器の果たす役割は大きい。乳業界とともに、更なるレベルアップに積極的に取り組んでもらいたい」と新体制で50年に向けてスタートする協会に期待を表明した。
以上で記念式典を終了し、祝賀会に移った。浅野会長の挨拶に始まり、厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課長高谷幸氏、社団法人全国牛乳普及協会会長海野研一氏から祝辞を頂いた。乾杯の音頭は厚生労働省の歴代の乳肉衛生課長を代表して瓜谷龍一氏にお願いした。中締めの挨拶は羽田昭彦副会長が行った。
協会創立40周年記念に関する事柄を思い出すままに記したが、何事も初めてのことで、当時の厚労省の担当官のご指導と協会創立40周年記念準備委
員会の皆さんの一致団結した努力で無事に終了することができた。準備委員会の皆様には、浅野会長の鶴の一声で慰労会を某健康保険組合の伊豆山温泉保養所で盛大に開いた。その模様は機会があればまたお話ししたいと思っている。又、後日談だが当協会褒章は初めてのことで、受賞者よりあまりにも立派な賞状であったのに驚かれた様子のお手紙を頂いた。
これらが一昨年50周年記念事業実施の際のベースとして、その成功につながったと感じている。
(次号に続く)