令和6年度事業計画書
自 令和 6年 4月 1日
至 令和 7年 3月31日
令和6年度の経済動向は、「令和6年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(令和6年1月26日閣議決定)によると、経済見通しは「総合経済対策の進捗に伴い、官民連携した賃上げを始めとする所得環境の改善や企業の設備投資意欲の後押し等が相まって、民間需要主導の経済成長が実現することが期待される。令和6年度の実質GDP成長率は1.3%程度、名目GDP成長率3.0%程度、消費者物価は2.5%程度の上昇率になると見込まれる。ただし、海外景気の下振れリスクや物価動向に関する不確実性が存在すること、令和6年能登半島地震の影響、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある」とされている。
当協会に関しては、技術統括委員長も参画した厚生労働省食品基準審査課と国立医薬品食品衛生研究所のワーキンググループで取り纏めた「用途別規格改正」を網羅した「器具・容器包装の規格基準の改定」は所管の厚生労働省食品基準審査課が消費者庁へ移管され、消費者庁の審議会に諮問され、ポジティブリスト制度の完全施行に合せて改正すべく審議される。
当協会の存立基盤である酪農・乳業界においては、業務用市場はコロナウイルス感染症の5類指定とインバウンドの増加により需要は回復しているが、家庭内市場の牛乳、乳製品販売は昨年度も飲用、発酵乳、バター乳価の期中値上げや資材、物量コスト上昇で、製品価格が再値上げされ、諸物価の高騰で消費者の生活防衛意識の高まりから消費が低迷している状況である。
本年度は全ての用途の乳価は据え置きの見込みだが、酪農家は円安による飼料価格など生産コストの高止まりで経営環境が厳しく、離農の増加、一方、乳製品販売の低迷から、生乳処理の需給調整など、本年度も供給面、販売面で市場環境は厳しい状況が継続する事に注視する必要がある。
この様な状況の中、政府の農産物輸出促進政策に対応した乳製品の輸出促進を強化する事を目的に昨年度「乳等常温保存可能品の大臣承認の廃止」の規制緩和で、今後のロングライフ牛乳の設備投資など輸出拡大を期待している。当協会としても輸出促進の一助として、容器・機器の更なる衛生性の向上に努め、乳製品の賞味期限延長などで貢献する必要がある。
一方、消費者のSDGs意識の高まりで“グリーン社会”の観点からの消費の喚起が重要な課題であり、乳業各社はGHG削減に取り組んだ生産体制や販売戦略などグリーン社会の消費動向の変化に対応した価値ある商品の開発を更に促進するものと思われる。
当協会は行政・関連団体と情報共有や意見交換などを積極的に行い、「乳等の容器包装規格基準の改定」の実現に向けては、一般社団法人日本乳業協会、一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会との連携を更に強化して協会の存在意義を広める活動を進めてきた。
本年度は令和6年度目標の確実な達成のため、行政・関連団体との関係強化を更に進め、ロードマップの各種取り組み、活動の充実、強化を行い、変化に対応出来る協会として存在価値向上を着実に進めていく。
1. 主な活動
(1) 協会内の取り組み
- (ア)
- 技術統括委員会
定款上の専門委員会として、当協会の様々な技術課題を統括しその方向性を理事会に上申する。「器具・容器包装の規格基準改正」につき、行政及び一般社団法人日本乳業協会、一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会との情報共有を強化して、「乳等の容器包装に関する自主基準」改定を進める。また、ポジティブリスト制度完全施行や欧州PFAS規制に関して業界団体との情報共有を進め、会員への情報提供を積極的に行う。 - (イ)
- 乳容器部会
「乳等の容器包装に関する自主基準」改定に関して、各WGにおいて、改定案へ意見具申する。また、各担当領域の安全衛生等に関する情報を共有する。 - (ウ)
- 乳機器部会
乳機器の安全・衛生に関する情報収集を行うと共に、関連団体との関係強化に努める。一般社団法人日本乳業協会と連携して「乳等常温保存可能品設備の自主基準」を制定する。また、ポジティブリスト制度完全施行に関して、会員へ情報共有する。 異物防止対策シートの更新を実施する。また社員研修会を充実した内容にすべく、事務局と協力して実施する。 - (エ)
- 事業企画小委員会
令和6年度までの3ヶ年ロードマップに基づき、協会活動の施策立案をする。社会貢献の観点から「牛乳でスマイルプロジェクト」の活動を進める。また、酪農乳業界の動向などを確認しながら、協会の次期3カ年の目標とロードマップを策定する。
(2) 官庁・関連団体などとの取り組み
- (ア)
- 行政「消費者庁食品衛生基準審査課」との取り組み
「器具・容器包装の規格基準改正」につき、情報共有、意見交換を行う。乳容器及び乳機器に関連した当協会の安全衛生に関する事項につき、情報共有、意見交換の機会を確保する。 - (イ)
- 関連諸団体との協力
一般社団法人日本乳業協会、一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会との連携を更に強化する。食品接触材料安全センターなどの関係団体と情報交換に努める。全国飲用牛乳公正取引協議会専門部会に参加し、飲用牛乳等の表示に関する情報共有に努める。
(3) 広報・啓発・社会貢献活動の取り組み
- (ア)
- 社会の変化に対応した活動
SDGs、グリーン社会や規制緩和、強化など社会、経済活動の変化に関して海外情報を含め情報収集に務め、会員への情報共有を進めて協会活動への理解と関心を高める。 - (イ)
- 会員セミナー及び社員研修会の実施
本年度は酪農乳業界の課題や最新乳業情報、グリーン社会に関する会員セミナー及び会員人財育成に貢献する研修会を立案する。
会員間の情報交換や情報共有の機会を企画、実施に努める。
(4) 財務基盤及び協会体制の取り組み
- (ア)
- 「財務基盤の確立」
財務基盤は内部留保が66%に達し、事業活動を充実して内部留保率の適正化を図る。 - (イ)
- 「協会体制の強化」
協会の基盤安定化を図る為に、正・賛助会員誘致活動を会員各所の協力の基に会員誘致活動を積極的に進める。
以上
令和1年度事業計画書(PDF形式、287KB)
令和2年度事業計画書(PDF形式、227KB)
令和3年度事業計画書(PDF形式、247KB)
令和4年度事業計画書(PDF形式、117KB)
令和5年度事業計画書(PDF形式、254KB)
令和6年度事業計画書(PDF形式、217KB)