昭和三十三年十二月二十日の設立発起人会で、任意団体の日本牛乳キャップ協会としてスタートしてから、昭和三十六年十二月四日には社団法人日本牛乳キャップ協会として正式に公益法人化した当協会であったが、当協会の設立頃から牛乳業界は急速なスピードで発展していった。
昭和四十一年四月二十一日開催の定時総会で、当時の浅野武矩会長は、「今日、当協会の役割も大きな広がりを見せている。牛乳瓶用キャップという包装形態に留まらず、紙製牛乳容器等の出現を見るようになった。当協会の定款第三条には『牛乳キャップ及び牛乳容器並びに牛乳包装についての諸事の目的』と記載されている。現在の協会名は牛乳キャップのみを表現しているように思われるので、もっと広い視野にたって、業界発展に伴い、広く容器包装を意味する協会名称に変更したい」 という主旨の発議をされた。
総会では協会の将来を考え、十分に検討する必要があるので、理事会に審議を一任するということが承認された。
昭和四十一年五月十七日開催の理事会で、総会で委嘱された協会名称の変更が審議された。
- 牛乳パッケージング協会
- 日本牛乳紙栓容器協会
- 牛乳パッケージ協会
- 日本乳栓容器協会
- 全国乳栓容器協会
の五つの案が出た。理事会は種々審議したが結論は出なかった。
そこで、六月八日に再度理事会を開催したが、ここでも結論は出ず、
- 日本牛乳紙栓容器協会
- 日本乳栓容器協会
- 全国乳栓容器協会
の三案に絞った上で、次回、全役員出席のもとで最終決定することを申し合わせた。
昭和四十二年二月二十四日開催の理事会で、協会名称の変更がみたび審議された。先の理事会で絞られた三案が紹介され、最近の乳業界は高スピードで進歩発展していること、指導官庁からも当協会が単に牛乳キャップのみに依存しているかに見られることは遺憾であり、他の牛乳容器包装の研究発展にも常に対処できるよう、協会名、定款上の目的を変更するよう指導があったことが説明された。当時の乳業団体の名称が「全国牛乳協会」であったことも加味され、全員一致で新名称は「社団法人全国乳栓容器協会」と決定した。
昭和四十二年四月二十五日、第六回定時総会が開催され、協会の名称変更を含む定款変更案が理事長から説明され、変更案が可決された。
これによって五月二十五日協会は坊秀男厚生大臣に定款変更を申請した。申請は六月十六日に受理され、七月十三日の登記完了をもって 「社団法人全国乳栓容器協会 」が正式にスタートした。
これによって協会は牛乳キャップから視野を広げ、乳等の容器包装全体を掌る公益法人へと脱皮する事ができた。まことに先人たちの先見性と、英断に感服するものである。