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コラム
 
 

厚生労働科学研究への参加

顧問 青島 靖次

厚生労働科学研究への参加 -1-

平成15年11月18日、厚生労働省食品安全部基準審査課担当官より以下のような依頼を受けた。「今般、乳等省令の容器の規格基準の様々な矛盾点について厚生労働科学研究費をもって国立衛生研究所室長を主査として見直し作業を考えており、短縮もあり得るが来年度より3年度を予定している。乳等の容器包装の関係であるので全国乳栓容器協会に見直し作業の協力をお願いしたい」というものであった。

詳細な内容は以下の通りである。
1. 費用等
厚生労働科学研究費にて支弁し国立衛生研究所室長に主査をお願いする予定である。会合の頻度は2〜3カ月に1回程度、厚労省担当官は表舞台にはでず裏方を務める。
2.目的
現行乳等省令の文言及び書きぶりの見直し、国際基準等との整合性の観点から見直し。対象は容器包装のみとする。
3.期間
来年度より3ヶ年間を予定するも、短期間で見直しが終了する場合もある。
4.協会からの参加者
協会会員から3〜4名程度しており自主基準、Q&A作成時の代表者等が候補となり得る。なお期間中、人事異動などで協力者変更は可能である。
5.厚生労働科学研究費事業適用について
過去に当協会「乳等容器包装の抗接着剤に関する自主基準」作成時に適用された例がある。

担当官としては容器包装に関する乳等省令見直しは、協会としても重要な事項である筈なので協力を要請したい。但しその結果の協会にとって善し悪しは現時点では分からない。いずれにせよ何らかの見直しは必要とされているとのことだった。その上で取り急ぎ取り纏めた上記内容にて検討し、早急に協会としての返事がほしいとのことだった。 この厚生労働省基準審査課の要請事項について、会長理事、副会長理事に連絡を取り、本件について打診した結果、全員より協力方進行するよう確認があり進捗させることとなった。

同11月20日、厚生労働省基準審査課担当官、及び担当係長に辻井芳彦技術委員長が同行して面談した。
1.打合せ目的
乳等省令中の容器包装の規格基準について厚生科学研究費をもって、国立医薬品食品衛生研究所室長を中心に見直しをすることになり厚生労働省の考え方、並びに室長との打ち合わせ時の留意事項などの確認のため訪問することとした。なお、国立医薬品食品衛生研究所への訪問は11月27日(木)16:00が予定されていた。
2.打合せ内容
1)乳等省令の容器包装の規格基準の全面的な改正ではなく、FDA等の日本以外を含めた他の規格との整合性の整理を行いたい。また試験項目を増やすことについては食品安全委員会の評価が必要となり、そのためにはその根拠となる安全確認試験資料等が必要となる。
2)今回の要請については厚生労働科学研究費にて容器包装の規格基準を検討するものであり、直ちに乳等省令に反映されるものではないが、研究期間は原則として3年度としたい。
3)室長は文言や書きぶりだけの改正では意味がないと考えており、抜本的に改正すべきとの意向のようだ。
4)乳等容器包装の規格基準は乳の物質特性により容器包装の含有物質の溶出するリスクが比較的高いと判断されており、また乳幼児も必要な栄養源として摂取することから、これが他の食品と比較して厳しい規格であってよいとの認識の理由となっている。
5)室長ご本人が乳等省令を熟知してないと言っておられるため、こちらから問題点を提起する必要がある。例えば試験法等については既に検討済みで、使用できない試薬等は明確になっているはずだ。耐圧について規格値が実際的な数値となっておらず、また合成樹脂の突き刺し強度は、樹脂の特性を勘案したものになっていないのではないか。
6)乳等省令の容器包装の規格基準にないものは告示370号に依ることとなるがこのあたりも明確にすべきではないか。
7)担当官からは器具についても検討して欲しいという要望があったが、協会の取り扱う範疇としてふさわしくないとの判断からお断りした。従って、室長に協会自体について十分説明し、協会としての検討範囲を明らかにする必要がでてきた。
8)発生する費用については、室長に請求は可能であるが、その判断は室長に委ねられているとのことだった。
9)担当官は室長と研究班会議で面談することになる。

上記の面談を通して厚生労働省と国立医薬食品衛生研究所との姿勢に相違が見られることが明らかとなったため、問題点の提起内容を含め協会が室長と調整していく必要が出てきた。また、大枠のなかで一例として、端面の問題を取り上げてはどうかという担当官のアドバイスもあり、協会内で問題提起の内容の検討が必要となった。一方で室長は一般紙器の蛍光染料問題にも関わっておられるので、食品容器包装全般に渡っての規格基準を考えておられると予想され、協会の取り扱う範囲を明確にしておく必要があると判断された。従って11月27日は協会自体について説明し、室長のご理解を得ることが主体となるとの想定となった。

同11月27日、青島事務局長・辻井芳彦技術委員長(日本紙パック)、多田國昭(東罐興業)、土屋暢一(日本テトラパック)の技術委員会のメンバーで、国立薬品食品衛生研究所室長を訪ねた。名刺交換の後、厚生労働省の要請を受けての訪問の趣旨を告げ、事務局長より協会の説明を開始したが室長が詳細は不要とし本題に入った。室長は協会に対し、良い印象をもっていないようだった。

1.乳等省令の容器包装に関する部分は厚生労働省と乳栓容器協会とで作ったという認識が、室長にあるようで協会で責任をもって改善すべきではないかという発言があった。協会としてはそのような権限がある筈もなく、実際は解釈上苦慮しており、Q&Aなどを作成した経緯などを懇切に説明して了解を得た。

平成18年1月5日号協会だよりより
(左)土屋氏 (右)辻井氏
2.室長としては先ず、文言やかきぶりのわかりにくさを解決すべきという認識で、その後に試験法等の検討が必要と考えているようだった。また、今回の問題は文言の表現や、整合性に問題があることから厚生労働科学研究に値する研究ではないと判断しているとのことだった。厚生労働科学研究はその研究成果を評価される場があるため、研究者としてテーマは慎重に選びたい。忙しいこともあり、一からの研究はできないので、基礎研究が出来た段階というのであれば引き受けられると考えとのことだった。
3.法令の改正により業界が安全性を担保すべきであり、海外の法令等も勉強し、改正に向けて行政に提言すべきで、そのための協力はおしまないとのことだった。
4.乳の物質特性から容器の含有物を溶出させやすいと考えられるので、特に安全性には留意が必要と考えている。したがって抽出試験の溶媒についても10%あるいは20%ぐらいのアルコールが適当と考えているとのことだった。
5.例外承認制度は乳等省令の実効性を歪めており、例外承認の内容が公開されていないことは問題ではないか。新しい規格であれば個別規格として明確にすべきではないかとの意見だった。

室長訪問は面談当初は先行きがどうなるか心配されたが、同行の技術委員の方々が誠意を尽くして説明・要請を行ったことで、最終的には和やかな雰囲気に変わり、主査就任は前向きに考えて頂けるのではないかとの感触に至った。


平成21年5月1日号協会だより
還暦祝いの多田氏
翌11月28日、厚生省基準審査課担当官に、協会技術委員が同行して訪問、上記内容を説明し、今後について検討した。分担研究者を探し、厚生労働科学研究での実施を考えるが、どうしてもだめな場合は別の方法も考える。但し、予算策定の関係で12月4日が限度となるとの判断に至った。一方で協会は乳等省令の見直しに関し問題点を整理し、その全容を明確にする作業を進め、また告示370号や海外の規格等も含め整合性を整理し、試験方法を別途検討する形にして、検討項目、分担を明確にしていく手順を進めることとなった。(次号へ続く)





厚生労働科学研究への参加 -2-

前回に引続き時系列で述べる。
平成15年12月2日、厚生労働省担当官と青島事務局長、辻井委員長、多田委員の3名で面談打合せ
1.目的
乳等省令中の容器の規格基準について厚生労働科学研究費をもって見直しをすることになったが、厚生労働省側の考えが協会としては明確でなかったため、その再確認と分担研究者の候補者選出が出来なかったことの報告及びその後の方向性に関しての打合せを行った。
2.打合せ内容
1)分担研究者候補者の選出が出来なかったとの報告に対し、担当官より候補者の提示があった。
(東京都健康安全研究センター 食品化学部食品添加物研究科担当官)国立医薬品食品衛生研究所室長との研究について厚生労働省担当官から打診し、受託されれば協会が訪問して打ち合わせることになった。
2)今回の乳等省令の見直しは、前回改正時に見直しできなかった部分について、各方面より見直し要請があったことによる。また現在では使用できない試薬などについても更新する必要がある。また本件に関して特に食品安全委員会の意向はないとのこと。
3)具体的見直し項目について、予め用意した原案を元に要・不要を確認した。項目7,9,10については不要。主として1〜3を検討する中で他の項目も関連してくることとなる。乳等の容器に関する問題点を抽出し、海外における関連する規格も参照すると共に適切な試験方法の検討を行う。

4)(社)全国乳栓協会の位置付けについては最終責任者は国立食品衛生研究所室長、具体的実務の責任者は東京都健康安全研究センター 食品化学部食品添加物研究科担当官が担当され、協会としては、改善すべき点を先生方と協議の上摘出し、調査、検討することになる。また、全体的な意見調整を図る事務局的な立場を、他の業界(牛乳協会、ポリ衛協など)からの情報入手窓口の役割も果たす。[次頁参照]
5)注意事項としては新しい添加材、試験規格、規格値の制定は食品安全委員会で評価されることになるので、評価に耐えうるレベルのデータが必要である。また、海外規格の規格値を導入する場合は、安易に中央値を引用するだけではなく、規格値を決めた理由を調査してこれを明確にして欲しいとのことであった。
6)今後のスケジュールとしては、まず厚生労働科学研究のテーマ案を持参し、東京都の担当官との打合せが必要であり、テーマ案については3年かけて省令の見直し・調査、試験方法の検討、試験方法の妥当性の確認・検証という概略で宜しいとのことであった。
7)厚生労働科学研究は一般公募案件であり、採択の可否については2月ぐらいに判明する。単独での採用は難しいが、国立医薬品食品衛生研究所室長の分担研究ということであれば採用される公算は大きいとのことであった。
8)海外規格の調査について厚生労働省にはルートが現存していないので、海外企業を利用するなどして企業が入手を図ったほうが、煩雑な手続きを経るより早いと考えているとのことであった。

今回の見直しについては、厚生労働省が見直しの必要性を認めているだけでなく、見直しに関連する業界のなかにはこれを期待し、参加を希望するところがあると判断された。また当協会が参加しない場合は、当協会抜きで見直しが進められる可能性もあり業界として積極的に参加すべきとの判断に至った。協会としても負担はかかることになるが、来年度に向け担当者の決定、予算策定を図ることが必要であり、また、厚生労働科学研究自体に関しては協会として知識が乏しいので、今後の進め方などについて研究者との早期の打合せが必要となることが厚生労働省担当官と打合の結果明らかになった。
(しかし一方で翌12月3日、東京都健康安全研究センター食品化学部食品添加物研究科担当官より本件について辞退したいとの連絡があったことが判明した)

12月8日、浅野会長理事に多田(東罐興業)、土屋(日本テトラパック)、辻井(日本紙パック)、青島(事務局長)が報告
本日までの厚生労働省担当官よりあった要請事項について経過を追って詳細に報告を行い、浅野会長理事より以下のコメントがあった。
1)本件を精査せずに協会が安易に全面的に関与することは、リスクも多く協力範囲を明確にして、実施すること。
2)事務局の協力も庶務的範囲にとどめること。これを踏まえて厚生労働省担当官の要請に応えることした。また協会の立場についても、明日会長理事自身が厚生労働省担当官に説明、諒解を得ることとした。

12月9日、厚生労働省基準審査課担当官と浅野会長理事、多田、土屋、辻井技術委員、青島事務局長にて面談
厚生労働省担当官より、国立医薬品食品衛生研究所室長と面談の結果当該厚生労働科学研究について承諾した旨の報告があった。また面談内容は以下の通りであった。
1)広い範囲の人の意見を聴取したい、ポリオレフィン等衛生協議会の研究者等も含めて考えている様子であった。
2)乳栓容器協会として、問題提出等素案作りから関与して置く必要がある。
3)協会としての意見を出し、反映されることが必要である。
4)分担研究者については、日本乳業協会常務理事である旨を説明した結果、同氏ならばOKとの結論が出た。
5)担当官より、当該理事説明打診の結果同氏から承諾を得た旨の話があった。
6)依って、当研究の主任研究者等については次の通りとなった。

従って12月16日迄の研究公募資料作成実施のため協会としては分担研究者である日本乳業協会常務理事と面談の上相談することが急務となった。

また浅野会長理事より、協会としての協力出来る範囲に関しての説明が行われた。
1)容器包装に関する部分については協力させて頂く。
2)成分分析等専門的な事に関しては困難な点はあるが出来る範囲で協力させて頂きたい。
3)新しい素材の研究については関係者とも協議の上対処させて頂きたい。
4)事務局が主となって事務、庶務等に関しても協力体制をとらせて頂く。

後日、日本乳業協会常務理事に面談したところ厚生労働科学研究(乳等容器に関して)の分担研究者として、厚生労働省担当官からの要請を受諾した旨の話が出た。その際「全国乳栓容器協会として言いたいことは、言って置かないと、後で何を言っても行政は、相手にしない。そのためにも、乳業界全体のことも考えて、橋渡し役としてお引き受けした。何分来年度のことでもあり、正式に決定した時点でよく相談させてもらいたい。」とのことであった。それまで全国乳栓容器協会としても準備を進めておく必要があると感じた。

平成16年2月12日
厚生労働科学研究準備委員会開催

山科委員長、辻井委員(日本紙パック)、土屋委員(日本テトラパック)、有岡委員(日本デキシー)、丹羽委員(東罐興業)、米田委員(東洋製罐)、青島事務局長が参加して開催された標記委員会で今回の厚生科学研究分担研究協力者としての候補者を、次の通り選定した。

山科委員長(日本紙パック)
土屋委員(日本テトラパック)
多田委員(東罐興業)
辻井委員(日本紙パック)
青島事務局長(協会内協力者 各部会技術委員長)

これを事業企画運営委員会の議を経て会長理事の承認を得ることし、厚生労働科学研究が正式にスタートすることとなった。(次号へ続く)

厚生労働科学研究への参加 -3-

引き続き時系列で記述する。

平成16年3月17日開催の事業企画運営委員会において、厚生科学研究分担研究の協力委員も前述の通りに承認され、いよいよ分担研究の準備を開始することになった。同4月1日、協会内の厚科研協力事業委員会が開催され、4月6日開催の厚生科学研究分担研究者並びに日本乳業協会との初会合に備えて、協会内の事前打合せ、全協会側委員の意思統一を図ることとなった。
1. 4月6日の乳業協会との打合せについては「容器包装研究会」と仮称する。
2. 厚生労働科学研究における分担研究は、「事前評価用審査書類」から6テーマになるものと推察され、全国乳栓容器協会は「乳等用器具・容器包装の安全性確保に関する研究」をテーマに日本乳業協会常務理事の下で活動すると現時点で判断される。厚生労働省担当専門官からは、全国乳栓容器協会が厚生労働科学研究の事務局的役割を果たすべきとの示唆もあったが、6分担研究の内の1研究という位置付けになる以上、今後の活動にあたり、次の事項を明確にしておく必要があるとの判断に至った。
@ どのような組織となるのか(組織名称等含む)
A テーマとその範囲
B 全国乳栓容器協会としての問題点まとめを基に、制度等を含め、視野を拡大して問題点を抽出、まとめ方については、主任研究者の「乳等用器具・容器包装の規格基準に関する問題点(メモ)」に準じるものとする。

平成16年4月6日 「容器包装研究会」を下記メンバーにて開催した。
日本乳業協会 −常務理事(厚科研分担研究者)
同    −生産技術部長
明治乳業 −技術部課長
森永乳業 −生産技術部マネージャー
全国乳栓容器協会 −青島事務局長
同   −山科技術委員会委員長(日本紙パック)
同   −多田技術委員(東罐興業)
同   −土屋技術委員(日本テトラパック)
同   −辻井技術委員(日本紙パック)

1. 厚生労働科学研究の概要を分担研究者の日本乳業協会常務理事が以下の配布資料により説明した。
@平成16年度、厚生労働科学研究補助金研究計画書(新規申請用)
A事前評価用審査書類
B乳等用器具・容器包装の規格基準に関わる問題点
平成16年度、厚生労働科学研究補助金研究計画書 事前評価用審査書類 乳等用器具・容器包装の規格基準に関わる問題点



「厚生労働省基準審査課の要望と主任研究員の依頼により『乳等用器具・容器包装の安全性確保に関する研究』についての分担研究者となった。他には5つの分担研究があるが、関連がありそうなものについても関与していく方向で考えたい。乳等省令は明治時代に定められた法令から引き継がれており、乳幼児、病弱者をも対象としていることから、他の食品、飲料と比較して厳しい基準を定めている経緯がある。また、当初は透明ガラス瓶しか認められていなかったが、その後、例外申請によって紙容器なども容器として認められるようになった。例外申請の問題点として知見のある方が判断する側に少ないではないか、またその事務処理量が多く十分に検討されていないのではないか、との指摘もある。また1群、2群の分け方に科学的根拠があるか、間接添加物などポジティブリストの扱いについては主任研究者の指摘にあるように配慮すべき点と思われる。平成16年度はまず諸外国の規制に関する情報収集ということになる。経費については研究補助金という性格上、処理が煩雑となるので年度末に残らないことが必要であることに留意頂きたい。日本乳業協会生産技術部マネージャーより疑義があったカートンの端面については、調査・研究で取り上げるか、行政との折衝に委ねるのかを検討したい。次回、主任研究者と打合せ前には諸外国の情報収集をしておくことが望ましい。」
2. 全国乳栓容器協会としての対応について以下の方向性が確認された。
平成15年4月制定した乳等省令に係わる容器包装・器具についてのQ&A集に伴って進行した課題についても行政に確認することと、調査研究で取り上げることが混在していると考えられ、これらについてはしばらく静観した方がよい。調査研究項目については以下を提案する。
(1)容器包装内面端面
・原紙端面
・合成樹脂端面
(2)製造加工助剤(潤滑剤)
・天然有機物系
(3)内容物に直接接触する合成樹脂、添加物の範囲
・乳等の1群類
・乳等の2群類
・合成樹脂のブレンド
(4)内容物に直接接触しない合成樹脂、添加物の範囲
・乳等の1群
・乳等の2群
(5)密栓の用に供する合成樹脂加工アルミニウム箔
・内容物に直接接触する合成樹脂、添加物の範囲
(6)ガラス瓶とその蓋材
・ガラス瓶への印刷
・蓋材の合成樹脂、添加物の範囲
(7)常温保存用容器
・遮光性、気体透過性
(8)PETボトル
・常温流通

また、海外の同種の規制についてはその調査項目等につき、各社で調査の上打合せを行う。

同年4月21日分担研究者を含め容器包装研究会が再度開催された。
1. Q&Aについては、厚生労働省にアプローチすべき課題と、厚科研にて検討すべき課題があると考えられその精査が必要である。
2. 他分担研究との項目の重複を避ける必要がある。
3. ポリ乳酸(生分解性プラスチック)の取り扱い等も検討する必要がある。
4. 紙容器については、乳等の容器として申請によって認められた経緯があるが端面については材質試験に適合すれば問題ないと判断する。

以上の内容が確認された。

同年7月15日、「乳等用器具・容器包装の安全性確保に関する研究」分担研究者より、今回の厚生労働科学研究について、7月8日に実施された厚生労働省基準審査課担当課補佐、国立医薬品食品衛生研究所室長主任研究者、同分担研究者の「3者会談結果説明と後の対応協議」について内容説明がなされた。
1. 主任研究者より乳等省令は、370号との関係等疑問点が多いとの発言に続き、厚生労働省基準審査課担当官は乳等省令の改善をスピーディ―に行うのであれば、乳等省令だけでなく告示も視野に入れる必要があり区分して対応すべきではないか。また研究は、3カ年計画であるが3年に拘わらずまとまった事項は、その時点で厚生労働省としても行動を起こしたい旨の発言があった。
2. 厚科研活動開始が、遅延しているが、諸般の理由で仕方がない。9月初めに関係者会議を開催するよう、分担研究者に設定していただくこととなった。近日分担研究者がポリオレフィン等衛生協議会専務理事にお会いする予定。乳業界の意見も重要であり日本乳業協会の参加を予定している。又、海外規格調査協力も要請する。
当厚科研の活動は、当初厚生労働省より「乳栓容器協会Q&Aの懸案事項を厚科研で検討して頂いたら如何か」との話があったことが発端の一つである。したがってQ&Aについて、懸案事項の再確認、まとめをおこない、厚科研にお願いする内容と、その他を区別する必要があり、その区別について分担研究者に意見を求めることとした。
3. その他
・器具・容器の規制のあり方について整理する。
・外国と日本の相違に関する調査。
・3年計画調査内訳
1年目:諸外国の情報収集、2年目:国内の現状、3年目:まとめの大枠としたい。

これらの容器包装研究会等による準備を経て、いよいよ、平成16年度厚生労働科学研究第1回研究班会議の開催に至るのであった

次号よりいよいよ厚生労働科学研究自体について記述を開始する。(次号に続く)

厚生労働科学研究への参加 -4-

引き続き時系列で記述する。

平成16年10月7日、厚生労働科学研究研第1回研究班会議の開催について、分担研究者より、以下の文書が送付されてきた。

 平成16年度厚生労働科学研究第1回研究班会議の開催
 (分担研究班課題名:乳等用器具・容器包装の規格基準に関する研究)

 本年度から3年間の予定(3年間をかけてという意味ではなく、2年間で目的を達成出来ればその時点で終了します。)で標記研究を実施することとなりました。
 この研究班の分担研究(乳等用器具・容器包装の規格基準に関する研究)の取り纏め事務を(社)日本乳業協会常務が受けることとなりましたので、研究班開催案内等をさせていただきます。研究全体の班長は既にご承知のとおり、国立医薬品食品研究所食品添加物部の室長です。
開催が遅れておりました第1回研究班会議を下記により開催することとしましたので、出席されたく案内いたします。
 なお、班員は器具・容器等の使用者、器具容器等の製造者及び器具・容器等の原料供給者で構成されております。
                            記
             開催期日  平成16年10月20日 14時〜17時
             開催場所  乳業会館3階A会議室
                          千代田区九段北1-14-19
                     TEL 03-3261-9164
              議事内容
                (1)厚生労働科学研究分担研究内容について
                (2)今年度及び今後の研究内容等について

平成16年10月20日に開催された当該会議は以下のようなものであった。

平成16年度厚生労働科学研究費補助金による研究事業、食品用器具・容器包装及び乳幼児用玩具の安全性確保に関する研究
(分担研究)乳等用器具・容器包装の規格基準に関する研究
第1回研究班会議出席者

国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部   室長
日本乳業協会                   常務理事
    同                      技術部長
(ポリオレフィン等衛生協議会)
ポリオレフィン等衛生協議会          専務理事
    同                      事務局長
    同                      事務局員
(塩ビ食品衛生協議会)
塩ビ食品衛生協議会              常務理事
(全国乳栓容器協会)
全国乳栓容器協会      事務局長  椿山 佳明
    同     顧問             青島 靖次
    同     事務局員          江刺家 敏
日本テトラパック  品質保証部      土屋 暢一
日本紙パック    品質保証部      辻井 芳彦
(日本乳業協会)
  明治乳業                  技術部課長
  森永乳業         生産技術部マネージャー
  日本ミルクコミュニティ       品質保証部課長
  協同乳業                  生産部主管
  タカナシ乳業       品質保証部マネージャー
  グリコ乳業         中央研究所品質保証部
(厚生労働省)
  食品安全部基準審査課             主査
    同                         技官

以上の出席者のもと、主任研究者より、以下の本研究の概要説明がなされた

平成16年〜18年度厚生労働科学研究の概要説明

研究課題名: 食品用器具・容器包装及び乳幼児用玩具の安全性確保に関する研究
分担課題名: 紙製器具・容器包装の安全性確保に関する研究
主任研究者: 国立医薬品食品衛生研究所
         食品添加物部 室長

研究目的
「紙製器具及び容器包装については、原料が天然由来であり、またこれまでそれほど大きな問題が起こっていないという経験から、食品衛生法の器具・容器包装の規格基準において紙製品の材質規格基準が設定されておらず、問題が生じた場合にそれに対応するかたちで蛍光物質やPCBについての通知が出され、個別に規制が行われている。しかし、紙製品においては天然由来の原料だけではなく、製造工程において科学物質が使用されているケースもある。食品用途に用いられる紙製品の安全性についてはこれまで十分に検討がなされているとはいえず、一部の企業を除いては食品用途の紙に対する自主基準等も整備されていない。
一方で海外においては、米国では食品用容器包装は紙製品も含めてすべてFDAで承認を受けたものしか使用できないシステムになっているようだ。 承認された添加剤等はCode of Federal Regulations(CFR)に収載されており、紙及び板紙の成分として使用し化合物が記載されており、必要に応じて使用制限も加えられている。
一方、EUでは紙及び板紙についても「食品と直接接触するもの」の対象として上げ、規制を行うことを表明しているがまだ実施はされていない。但しそれを補完するかたちで欧州評議会が食品用途の紙及び板紙についての推奨基準に相当するResolution(2002)を出している。これに加えてEU各国では独自の規制や自主基準などによりその安全性が担保されているようだ。
『食の安全』を考える上で、食品と接触して使用される器具・容器包装の安全確保は極めて重要であり我国の紙製器具・容器包装についてその安全性を確保するためにどうすればいいのか、紙及び板紙に関わる業界の方々で是非考えていただきたい。」

対象となる紙製器具・容器包装
 食品と直接接触して使用される紙製品およびその材料。例えば、食品と接触する紙箱、包装紙、中紙、紙袋カップケーキのグラシン紙、和菓子やカステラの敷紙、アイスクリ―ムカップ、牛乳の栓、紙コップ、紙皿、レース紙、紙ナプキン、コーヒーフィルター、天ぷらの敷き紙など。

研究の方向性
1. まず、各国の紙製品の安全性を守るためのシステムがどのようになっているか規格基準、自主基準としてどのようなものが作られているか調査する。併せて我が国ではどのような枠組みで安全性を確保すればよいかについても検討する。
2. 紙製品をいくつかに分類し、それぞれについて安全性を考える上で必要な事項を洗い出す。
3. それらの項目について整合性をとるとともに、自主基準として設定するべきもの、さらに国の規格として設定すべきものを整理する。必要があれば試験法の検討、実態調査等を行う。

研究班の活動
全体の会議は年2〜3回程度。ワーキンググループは適宜。

自由討議
以上の概要説明の後、主任研究者より、乳等の容器での安全性確保をめざし、乳等省令上での整合性を図ることが大事であるので、本音で議論し方向付けが出来ればベストであり、与えられた3年間内で達成していただきたい旨の挨拶があった。その後各参加者が自己紹介を行った。
分担研究者より乳等の容器等の関係法令は乳等省令と一般食品の2つが存在し、乳等の容器は他の食品の容器と比較して厳しく規制がある。その違いを整理していきたい。また新たな材質等の容器については例外容器申請で承認を得ることが前提となっている。これらの現状の規制の在り方について要望をまとめ、これを変更すべきかを検討したく分担研究班で検討すべき事項等に関する意見を先ず述べて頂きたいとのコメントを受け各委員より以下のような広範囲にわたる意見が出された。

→ 容器の変更等の要請は流通側から要請があることが多く、その背景等の具体的なデータは開示されないことが多い。従って今までもユーザーからの要望に答えることで対応してきた。
→ 実際に例外申請を行ったことはあるが、清涼飲料と比較して規制が厳しく特に大型容器では形状、材質の選択肢が少なく消費者が望む使い勝手の改善も実現しにくい。
→ (清涼飲料と比較して)合成樹脂の添加剤の選択肢が狭い。
→ 乳等省令では各樹脂別の定義が分かりにくく、その整合性に欠ける部分がある。
→ 例外申請の対象、手順等がわかりにくくその承認までに時間がかかりすぎる。
→ 海外の規格基準についてはモニターし参考にしている。例えばEU規格、FDA規格は準用している。
→ 添加剤について改めて検討が必要ではないか。
→ ポジティブリスト化は検討中。海外規格基準との整合性を図っていきたい。
→ 告示370号で一本化すべきではないか。
→ 容器の構造や安全衛生規格の根拠が曖昧ではないか。
→ この研究班の検討でなにを求めるのか。その枠組みをまず議論すべきではないか。
→ WTO等との関連も踏まえ国際的に非関税障壁ととられないグローバルに整合性のとれた見直しが必要。
→ 協会自主基準をもっと活用すべきではないか。
→ 強度試験を一律ではなくよりきめ細かく見直すべきではないか。
→ 溶出試験の方法等の見直しが必要ではない。

等忌憚のない意見が数多く出された。厚生労働省担当官よりは、見直しに当たりご協力戴きたい旨の発言があった。こうして調査研究初年度である平成16年度はスタートした。
次回は、研究班、特に当協会委員による海外の諸規定の調査結果等について述べる。(次回へ続く)

厚生労働科学研究への参加 -5-

引き続き時系列で述べる。

平成16年12月2日、当協会厚科研協力委員会より分担研究班班長へ調査結果の事前報告
平成16年 乳等(容器)に関わる法令・規格等の調査概要
1、諸外国の乳等(容器)に関わる法令・規格等の調査
2、乳等省令 いわゆる乳などの一群とはっ酵乳・乳酸菌飲料・乳飲料の二群の、規格基準について

1-1EUにおける乳等(容器)に関わる法令・規格等の調査
@EU法体系
EUの法体系は32分野に及ぶものであるが、品安全の分野では12項目があり、乳の規格や規定がみられた。また農業分野における食品安全も包含した構成となっていた。
EU法体系 A家畜健康規則と食品衛生の定期検査
乳の製造条件、家畜由来の植物の特別な衛生規則であり原乳の規定や扱いの原則が示されていたまた乳の殺菌条件、殺菌温度、乳の菌数、が示されている。容器包装については有害物の混入が防げることという以外、容器に関する規格は見当たらない。表示に関しては製造法、製造日、保管温度を示すこと等詳細に示されていた。
B環境影響と汚染
各種の食品汚染について記述があり、食品に直接接触する物質の溶出値の規制がリスト上で明記されていた。また溶出試験方法の詳細や食品に接触する物質のリストも掲載されていた。
C食品(加工)
乳の規格に関しての濃縮乳の脂肪分に関する規定や乳の表示に関しての製品名・成分・重量・消費期限・生産販売者等の規定について記載されていた。
D考察
これらの結果からEUの主要国の法規制において乳に関する規格・基準や表示の格や規定はみられたものの、乳等容器に関する規格や規定は見られなかった。また、乳等省令のような食品中で乳が特別な位置付けされた法規制はドイツやイギリスにも見られたが、内容はあくまで乳自体に関する衛生性の規定であった。

1-2 米国及びカナダにおける乳等に関する法
@グレードA殺菌乳
(Pasteurized Milk ordinance 以下PMO)
FDAではMilk Safety Referenceとして乳の規格がある。この中で、乳や乳表示、乳等の容器に関する規定が見られた。また乳製品のFDAの栄養素毎に基準化した名称や乳加工周辺機器や殺菌条件についても記述されていた。乳の表示ついて各種の表示規定がされていた。乳等の容器については乳容器の材料に関する記載が(乳及び乳製品ワンウエイ容器包装製造基準)が見られた。生産工場基準は加工中の製品・仕掛品、保管包装、運搬について規定されていた。なお材料の規制については内容物に直接接触する物質については、食品への移行を想定し間接食品添加物としてポジティブリスト化されていた。
PMO Aカナダにおける乳等の法令
カナダ農業農産物局 (カナダ乳製品規則)
当規則は、輸出入又は地域間で交易する乳のグレード・検査・梱包・表示につき、登録し運用を行っている。指針として原乳輸送規則、牛乳加工と滅菌規則飲用乳分類則、やぎ乳製造規定 やぎ乳の製造加工の衛生管理等が規定されていた。
B考察
以上の通り米国やカナダの法規制では、乳に関する規格・基準や表示は見られたが乳等容器に関する規定は米国のPMOが唯一で、容器材質が一般食品と同様ではある旨の規定し、さらに使用する原紙の衛生性につき規定していた。また、米国・カナダ共に乳の法規制は、乳の食品としての衛生性を主眼とした我が国の乳等省令の様な位置付けであった。

調査結果のまとめ
海外における乳等に関する法令は乳等自体の衛生性維持のためものが主体であり、そのための乳の規格・基準や表示の規定は存在している。しかし、乳等容器に関しては唯一のものである米国のPMOが、原紙の衛生性品質要件並びに紙容器の微生物規定を規定した上で、使用可能な容器の材質は一般食品と同様との規定をしており、調査を行った国々では、乳等容器包装の材質については乳等用に特定せず、食品全般について使用できる物質をFDAやEU指令、BfR(Bundesinstitut fur Risikobewertung ドイツ連邦リスク研究所)などでポジティブリスト化している。すなわち、乳等容器用として特別に材質を規定し、またその容器強度などに関する規定をおくことは欧米では行われていない。

調査結果総括
現在調査可能な内容はほぼ調査が出来たものと考えている。乳等容器の規格、基準については各国において、いかなる業界基準などを持って運用されているかなどが情報を入手できる可能性はあるが、それらについての精査は現時点で不要と判断する。

乳等容器の食品容器の中での位置付け
欧米では歴史的に飲食されている乳等は、特別な食品ではなく一般食品と同様の位置づけをされており、日本においても乳等容器の材質について一般食品容器と原則的に同じにすべき事も検討の選択肢のひとつと考えられる。

乳等の容器の強度規格
我が国乳等の容器の強度規格に特徴的に見られる容器強度規格についても調査した範囲では見当たらなかった。加えて我が国の「常温保存可能品の規格(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部改正について)昭和60年7月8日 衛乳第30号」の様に、特定の目的のために特別な機能を規格とした規定もなかった。
海外で容器強度の可否をいかなる判断で行なっているかは、製品の一部としての容器包装、例えば”常温保存可能品”の規格の参照としては有効な考え方はありえるが全般的には容器強度規格値を規格に含めることを今一度見直す時期であるかもしれない。

以上が平成16年度の研究課題の海外の調査結果の概要であるが、次回はその他の調査及び課題について記したい。(次号へ続く)

厚生労働科学研究への参加 -6-

引き続き前回記述した「1、諸外国の乳等(容器)に関わる法令・規格等調査概要」に引き続き「2、乳等用器具・容器包装の規格基準に関するについて」から述べることとする。

2.乳等用器具・容器包装の規格基準に関するについて
テーマ:2群における密栓の用に供する蓋の材質に関する規制のあり方について

2−1
@乳等省令において、いわゆる発酵乳等の2群に使用可能な容器包装のうち、「組み合わせ容器包装」については合成樹脂、合成樹脂加工紙、合成樹脂加工アルミニウム箔又は金属のうち2以上を用いる容器包装と定義されている。このうち、合成樹脂、合成樹脂加工紙、合成樹脂加工アルミニウム箔は別表四の(二)(1)1―bに規定されたそれぞれの容器包装の規格に適合するものであると定義され、内面に使用可能な樹脂は、ポリエチレン、ポリエチレン・1―アルケン共重合樹脂、ポリプロピレンを主成分とする合成樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする合成樹脂となっている。一方、組合せ容器包装に用いることができる「密栓の用に供する合成樹脂加工アルミニウム箔」については、重金属、蒸発残留物、過マンガン酸カリウム消費量、フェノール、ホルムアルデヒド、破裂強度の試験に適合すること、内容物の直接接触する部分に使用する合成樹脂については、ヒ素、カドミニウム及び鉛、ジブチルスズ化合物、クレゾールリン酸エステル、塩化ビニルの試験に適合するものとされているが、内面に使用可能な樹脂に関する規定はない。発酵乳には合成樹脂加工紙若しくは合成樹脂製のカップと蓋からなる「組合せ容器包装、」乳酸菌飲料には合成樹脂製のボトルと蓋からなる「組合せ容器包装」が広く利用され、消費者に製品の衛生性の向上と利便性を提供している。

A「組合せ容器包装」における蓋は密封性と開封性というある意味で相反する2つの機能を求められている。いくら密閉性が完全でも、開封性に欠陥があれば中身を取り出すときには中身がこぼれる等不都合が生じるおそれがある。合成樹脂を接着させるためには、通常同種の合成樹脂を熱溶融させることが行われるが、これでは密封は行われるもの、開封が困難となる。この相反する2つの機能を満たすシーラント材の開発も進行している。しかしこれらは「密栓の用に供する合成樹脂加工アルミニウム箔」にのみ使用可能な状況にある。すなわち、蓋の材質については、密栓の用に供する合成樹脂加工アルミニウム箔」とそれ以外の「組み合わせ容器包装」では内面に使用可能な材質に係わる規制が異なっている。「合成樹脂加工アルミニウム箔」はその材質特性により、従来例外的な取り扱いがなされてきたが、すべての「組み合わせ容器包装」についても「密栓用に供する合成樹脂加工アルミニウム箔」と同様に基材を限定せずそれと同等の規定が適用されることを望ましいと考える。

3. 乳・乳製品に関する規格基準について
テーマ:新規開発容器の規制緩和(いわゆる例外承認)について

3−1
@現在の例外承認制度は、容器包装に係る規制を関連する科学技術の進歩等に対応させるため、現状で規格化されていない新規開発された容器を、その安全衛生性を確認することによりこれを使用できるという可能性の担保であり、新技術への対応という観点から必要な制度であると認識している。包装技術の進歩も日進月歩であり、国民の食生活機能向上にも有用な新技術による容器等の開発が予想される。こうした状況の下、新たな技術を有効に活用し安全な消費者に歓迎される新商品をタイムリーに上市することが企業に課せられた課題と言える。継続的な新商品開発により乳業界のみならず他の食品業界にも活性化をもたらし、包装業界においてはその用途拡大の可能性があることから、技術開発意欲の高揚による業界全体の発展も期待されるところである。

Aしかしながら、現状の例外申請承認制度は、申請を受理されるまでに相当の時間を要し、また、規制緩和により運用の簡素化が図られたものの、溶出試験、材質試験等のデータの必要範囲や衛生保持上の効果等、申請に必要な具体的内容が不透明であることは否めず、承認までにも多くの時間を要している。また、例外申請や承認がどのような状況で行なわれているか不透明であり、企業サイドにとって非効率的であると言える。こうした状況から、以下の事項について検討する必要があると考える。
・例外承認申請案件が発生した場合は、積極的に承認の是非について検討すること。
・例外承認済案件の情報はインターネット等を活用し公開するべきこと。
・承認案件は、速やかに一般規格化すべきこと。


なお以下の疑問点が全国乳栓容器協会として提起された。

乳等省令についての疑問点について
             (社)全国乳栓容器協会 H17.2.28

主成分」表記の不統一
合成樹脂の種類によって「…を主成分とする」という表記の有無がある。
食品添加物等の規格基準(昭和34 年厚生省告示第370 号以下「告示」という)における「・・・を主成分とする」表記の合成樹脂名と整合していない。

容器形態による規格のバラツキ
合成樹脂製容器包装、合成樹脂加工紙製容器包装、組み合わせ容器包装など
1.合成樹脂製容器包装についてステアリン酸カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル、二酸化チタンの添加が認められているが、合成樹脂加工紙製容器包装については同じ材質であっても添加はみとめられていない。
2.1群に使用できる合成樹脂として合成樹脂製容器包装ではナイロン、ポリプロピレンも認められているが、合成樹脂加工紙製容器包装では認められていない。

試験方法・規格の妥当性
1.溶出・材質試験方法の一部旧態化
2.告示規格値と比較して極端に厳格
3.強度試験について容器形態によっては不適格な場合がある
@封かん強度において容量の大きいBIB(バックインボックス)10 秒間での加圧は難しい。
A破裂強度において小さな形状のものはサンプリング出来ない。
B破裂強度において延伸するフイルム(PE,PP など)の扱いが不明瞭。


同研究報告書用紙

以上の海外の調査内容並びに諸課題について、検討した結果をもって、これらを平成17年2月28日開催の厚生労働科学研究会議への(分担研究)乳等用器具・容器包装の規格基準に関する研究について(平成16 年度)の報告とすることにした。

平成16 年度 厚生労働科学研究費補助金による事業、食品用器具・容器包装及び乳児用玩具の安全性確保に関する研究(分担研究) 乳等用器具・容器包装の規格基準に関する研究の第3回研究班会議が同2 月28 日開催され、先述の報告書を審議検討された結果をもって、主任研究者・分担研究者併記の報告書が提出された。(次号へ続く)

厚生労働科学研究への参加 -7-

前回に引き続き厚生労働科学研究の進捗を述べたい。(青島)

平成17年9月13日
前年度に引き続き分担研究者のもと研究協力者が集い、第1回研究班会議が開催され、平成17年度の取り組み事業内容について研究テーマ選定から始まり以下の討議が行われた。席上下記の事項が「日本乳容器・機器協会、H17年厚生労働省科学研究テーマ選定資料」として提起された。

T 乳等省令についての疑問点
1「主成分」表記の不統一、合成樹脂によって「・・・を主成分とする」表記の有無の差異がある。
2 容器形態による規格の矛盾
2−1
合成樹脂製容器包装についてステアリン酸カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル、二酸化チタンの添加が認められているが、合成樹脂製加工紙製容器包装については同じ材質であっても添加が認められていない。
2−2
1群に使用できる合成樹脂として合成樹脂製容器包装ではナイロン、ポリプロピレンも認められているが、合成樹脂加工紙製容器包装では認められていない。
2−3
組み合わせ容器包装の定義が解りにくく、密栓の用に供する合成樹脂加工アルミニウム箔だけが取扱が異なる。
3 乳等の種類別による規格の差異
3−1
内面に直接接触する合成樹脂として、1群では認められていないが、2群ではポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートが認められている。
3−2
組み合わせ容器包装において2群には合成樹脂加工アルミニウム箔が認められている。
4 試験方法・規格の妥当性
4−1
溶出、材質試験方法の一部が既に旧態化しているのではないか。
4−2
告示370号規格値と比較して厳しすぎるのではないか。
4−3
強度試験について容器形態よっては試験方法が適合しない場合があるのではないか。
5 その他
5−1
容器包装製造時に使用する加工助剤の規格がない。
5−2
容器包装の材料である原紙については規格がない。

U 乳等の器具・容器包装の規格に関する検討事項
1 乳等省令と告示との関連
 (1) 器具・容器包装の材質について
 (2) 強度試験
 (3) 溶出・材質試験
2 乳等の器具の規格
3 乳製品の容器包装の規格
4 乳等の種類による規格
5 容器包装形態による規格
6 乳等に使用する添加物、乳等の容器包装に係わる承認制度

V 乳及び乳製品の成分規格に関する省令(参考として抜粋)
別表四:乳等の器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の規格及び製造方法基準の構成

W 食品添加物等の規格基準(参考として抜粋)
X その他 (資料として下記資料を提示した)

1 乳等の合成樹脂製容器包装、合成樹脂加工紙製容器包装に使用できる合成樹脂一覧表(内容物、容器形態別、使用できる材料)
2 規格試験比較表(対告示370号)
3 乳等省令規格試験一覧表
平成18年1月31日
平成17年度厚生労働科学研究(分担研究)乳等用器具・容器包装の規格基準に関する研究の第2回の研究班会議が主任研究者、分担研究者出席のもと開催された。平成17年度事業内容について取りまとめ内容の確認が行われ、準備された乳等省令対比表原案に従い各項目に従って検討が行われた。

1 適用範囲及び告示370号との関係
検討課題

乳・乳製品に係わる容器包装等の規格基準に関して乳等省令において完結させるか或いは告示370号に包含するかの検討

部会意見

乳等省令の内容を見直し告示370号に統合し、用途別規格に乳・乳製品の容器包装の容器包装を新設することを目指す。
その際、乳・乳製品の特殊性を考慮した溶出基準等を想定し、安全性を確保する。統合までの間、見直しの結果については省令を改正し告示との整合性を図る。

2 一般器具・容器包装・乳成分の規格
検討課題

一般器具の規格は、乳等省令で完結させるか或いは告示370号に包含させるかについての検討

部会意見

基本的には告示370号に統合することを目指す。 規制対象の拡大については、その必要性なども含め本研究の終了後検討する。

検討課題

容器包装の規格は、現状の分類による容器包装・器具又は原材料の規格でよいか。

部会意見

現在1群、2群という分類での規格基準ではなく、食品の特性に応じた検討が必要である。溶出試験に用いる抽出溶媒は食品の性状により選定する。(脂肪分の含有量等)

3 使用できる容器包装形態
(1群及び2群と清涼飲料水との比較)

検討課題

組み合わせ容器包装についての検討
<補足>
1群(クリームを除く)「合成樹脂及び合成樹脂加工紙を用いる容器包装」
1群(クリーム)「合成樹脂及び合成樹脂加工紙又は金属のうち2以上を用いる容器包装」
2群「合成樹脂及び合成樹脂加工紙、合成樹脂加工アルミニウム箔又は金属のうち2以上を用いる容器包装」

部会意見

組合せ容器包装に使用されている組合せ種類の材質については特定せず、それぞれ容器包装の規格基準に適合したものであれば良いと考える。従って、使用できる材質と内容物に直接接触する部分に使用する合成樹脂の材質を規定する。

検討課題

常温保存可能品について乳等省令と告示370号の表現の違いの検討

部会意見

1.遮光性、気体透過性についての条件は乳等もその他の食品も同様と考えられる。従って告示370号と同様の条件で良いと判断される。 2.遮光性、気体透過性に係わる使用材質についても告示370号と同様の条件としても衛生上の問題が発生するとは考えにくい。

4 容器包装材質規格
(1群、2群、清涼飲料水との比較)
検討課題

ガラス瓶の口径及び着色についての検討

部会意見

1.1群、2群の分類の見直し
2.透明が条件で問題なし(無着色の意義)
3.口径条件の必要性

検討課題

合成樹脂の種類による「主成分」表記についての検討
<補足>
内容物に直接接触する部分に使用する合成樹脂が1群ではではその使用が認められていないものが2群では使用が認められている。
1群で使用が認められていないが、2群で使用が認められている樹脂「ポリスチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレート」

部会意見

1.1群、2群で使用できる樹脂について統一を図る。 2.合成樹脂の構成成分の表記を統一する。(主成分表記)

検討課題

合成樹脂加工紙製容器包装に使用できる合成樹脂について検討

部会意見

1群2群の分類を見直し、かつ、安全性が確認された合成樹脂については合成樹脂加工紙製容器包装の材質として使用可能とする。

検討課題

合成樹脂製容器包装に使用される添加剤についての検討

部会意見

容器包装の構成材質に関係なく使用できる添加剤を規制すべきである。
具体的には合成樹脂加工紙製容器包装についても合成樹脂製容器包装に使用が認められている添加剤ステアリン酸カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル、二酸化チタンを認めるべきである。なお、二酸化チタンについては現状の規格のものについては現実的に使用困難な純度である。使用できる規格に改訂すべきである。
さらに、現在の1群2群という分類で容器包装に使用できる添加剤についての使用規制が妥当であるか否かに検討すべきである。

検討課題

密栓用の蓋材(合成樹脂加工アルミ箔)についての検討

部会意見

密栓の用途に使用する材質については限定せず適用条件を明確にする(現状の合成樹脂加工アルミニウム箔に限定せず、合成樹脂、合成樹脂加工紙、紙及び金属についても使用可能とすることが望ましい。

5 容器包装溶出試験について
検討課題

合成樹脂製容器包装の重金属の対象物質が合成樹脂の種類によって異なる、触媒等材料・加工特性を考慮すべきか否かの検討

部会意見

告示370号と試験法異にする必要があるとは思われない。従って試験法を同一にするべきである。

検討課題

合成樹脂加工紙製容器包装の原紙の規格についての検討

部会意見

紙については乳等省令で製造過程での殺菌することの規定あり。また、370号で着色剤の規定あり。

6 容器包装強度試験について
検討課題

組み合わせ容器包装の封緘強度の検討

部会意見

特殊な場合を除き封緘強度については内容物を充填する者の責任において行うものと考える。従って、基本的には強度試験を削除することが望ましい。

以上の各項目について、審議した結果を結論として以下のとおりまとめた。

結論
平成16年度の本研究における欧米規格の調査では、特に乳等用に特化した容器包装の規格基準はなく、容器包装の原材料及び使用できる添加剤がポジティブリスト化されていること及び内容食品の性状や使用温度によって溶出試験条件が定められていたことが報告された。また、今年度の調査により、以下のような乳等省令別表四の様々な問題点が浮き彫りになった。
我が国の器具・容器包装は用途により乳等省令と告示の2つの異なる規制を受けている。しかも、乳及び乳製品の中でも乳等省令別表四で規制されているのは、牛乳、殺菌山羊乳等の乳、クリーム、醗酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、調製粉乳のみであり、他の製品は告示により規制されている。そのため、乳及び乳製品の中でも整合性がとれていない状況にある。また、乳等省令では、乳等の種類、容器包装の形態によって使用できる原材料の材質や試験項目が設定されている。
乳等の種類は、乳等の性状特性で分類しているのではなく、使用できる原材料についても例外承認などによって容器包装形態ごとに規格化されたため、内容物に直接接触する部分に使用できる合成樹脂が同じであっても、容器の形態によっては使用できないなど、極めて複雑で乳等省令の中でも整合性が取れないものもある。
さらに、乳等省令で定める規格値は一般に告示より厳しい数値を導入しているが、一方で告示に定める規格が設定されていないものもある。 また、試験法については、告示の全面的な改正により、現在告示と大きく異なってしまっている。
このように、乳等省令別表四で定める乳及び乳製品用器具・容器包装の規格基準には多くの問題があり、抜本的な見直しが不可欠であると判断する。一方で、乳等の容器包装の基準が難解で整合性に欠ける大きな原因は、あるものには乳等省令でその基準を定めそれ以外のものについては告示によるとされているところから来るものと考えられる。 このことをもってしても食品用の器具・容器包装の規格は、乳等用器具・容器包装の規格を含め一つに統合することが望ましいと考えられる。

同研究報告書用紙

乳等省令は、もともと「乳幼児及び病弱者の栄養食品として考えられる乳及び乳製品」という位置付けによって定められた省令であるが、近年食品も多様化し、乳及び乳製品の特殊性という認識の必要性も薄らいできていると判断される。特殊性については、今一度検討する必要もあるが、告示に統合する場合は、用途別規格という形式で乳等用器具・容器包装に特別な事項について、定めておく必要もあるだろう。現行の乳等省令で定める事項を整理し、告示の材質別規格及び用途別規格にどの様に統合することができるのか、それで安全性の確保、さらに安全性の向上が図れるか等について、今後十分に検討する必要がある。

以上が平成17年度厚生労働省科学研究分担研究報告書として提出された。
(次号へ続く)

厚生労働科学研究への参加 -8-

引き続き厚生労働科学研究について時系列で記述して行きたい。

厚生労働科学研究も最終年を迎え、過去2年間審議した課題の総まとめ作業に入った。

平成18年5月25日、当協会厚生労働科学研究WG研究班による事前打合せ開催
◆メンバー
日本紙パック     辻井 芳彦
東罐興業       多田 国昭
日本テトラパック   土屋 暢一
東洋製罐       森 泰治
事務局         江刺家 敏

打合せ内容
1、配布資料
@平成18年度厚生労働科学研究WG検討事項
A平成18年度厚生労働科学研究WG検討事項(別表四)
B日本乳容器・機器協会の自主基準
C日本乳容器・機器協会の自主基準 技術文書抜粋
2、乳等の器具・容器包装の規格基準に関する研究
日本乳業協会生産技術部に概要を事前に説明する。意見についてはWG内で事前に一致させることはせず意見交換の場で各々の立場で発言することとした。
(1)器具の規格化
@器具について整合性を持たせるためには省令での規格化が必要。
A器具については現状のまま、告示に準拠で問題ない。
B研究者としては、搾乳などの器具についても容器に整合した規格が必要という考えがあるが、殺菌設備、充填設備などの基準を検討するには乳機器部会で検討することになるのではないか。
Cこの分野は日本乳業協会主導で検討していただく必要があるのではないか。

(2)容器包装規格
@乳と乳製品に分けて、乳に使用できる容器包装規格はポジティブリストということもあり乳等省令に定め、乳製品は告示に定める。(乳製品の容器包装規格は告示に定められているものもあり、乳の特殊性も配慮して乳等省令に残し、クリ―ム含め乳製品規格は告示に移行する。
A現状のまま告示に統合するのは難しいと考えられ、まず、乳等省令内での矛盾をなくす方向でまとめる。(乳等の群分類及び容器包装形態による分類の廃止など)
B原材料規格の詳細については、法令ではなく自主基準で定める必要があるのではないか(ポジティブリスト)。また、「主成分」の表記については削除してはどうか。

(3)今後の方向
今年度は、作業量が多くなる可能性があるので、最終年度にまとめきれるように研究班会議によって事前に方向性を明確にする必要がある。

3、紙製器具・容器包装の安全性に関する研究
日本乳容器・機器協会としては、平成17年第2回の会議議事録にあるように、自主基準が既に存在しているので、製紙連合会の自主基準が明らかになった時点で精査し必要に応じて改定する。現在、自主基準の統合も視野に入れて検討してあり、原材料規格もPETボトルの自主基準のように見直す必要があるかもしれない。紙の規格については自主基準でもその参照規格が明確にされていないので準備を進めておく。
以上の打合せをもって研究班会議に臨むこととした。

平成18年7月11日、第1回研究班会議開催
今回より、分担研究者が(社)日本乳業協会の人事異動により、新常務理事が担当することになった。なお(社)全国乳栓容器協会は平成17年5月26日開催の第44回通常総会において、(社)日本乳容器・機器協会と協会名が変更されている。

◆メンバー
主任研究者
 国立医薬食品衛生研究所食品添加物部    室長
分担研究者
 (社)日本乳業協会               常務理事

日本乳業協会
 明治乳業(株)                  技術部長
 森永乳業(株)     食品総合研究所包装開発室長
 日本ミルクコミュニティ(株)品質      保証部課長
 協同乳業(株)                 生産部主管
 タカナシ乳業(株)      品質保証部マネージャー
 グリコ乳業(株)         中央研究所品質保証部
 (社)日本乳業協会             生産技術部長

ポリオレフィン等衛生協議会
                専務理事・事務局長・事務局員

塩ビ食品衛生協議会                常務理事

日本乳容器・機器協会
 事務局長                椿山佳明
 事務局次長               江刺家敏
 顧問                   青島靖次
 日本紙パック(株)           辻井芳彦
 東罐興業(株)             多田国昭
 日本テトラパック(株)         土屋暢一
 東洋製罐(株)             森 泰治

厚生労働省 厚生労働省基準審査課    課長補佐
         厚生労働省基準審査課    担当官2名

以上の、主任研究者、分担研究者、日本乳業協会、ポリオレフィン等衛生協議会、塩ビ食品衛生協議会、日本乳容器・機器協会及び厚生労働省のメンバーで最終年度の報告書の取りまとめの方向を確認した。

確認事項
1、乳等省令の乳・乳製品の容器包装に係わる規定を、食品、添加物等の規格基準(告示)に移す方向で検討する。それが難しい場合には2群のみを移行するという選択肢もありえる。
2、1群及び3群(調製粉乳)の規格を移行する場合は、原則として現状の規定をそのまま移行させるが、理由付けがはっきりしている場合はその限りではない。2群及びクリームについては原則として告示の規定にあわせる。
3、規定方法は、原則、用途別、材質別の規格とする。容器の形状での規制ではなく内容物、材質の原材料で基準を設ける方向で検討する。例えば、PETはボトルではなく、PET樹脂で基準を設ける方向とする。
4、告示の材質規格の項目については可能な項目は乳の規格値を追加する。材質規格にない項目や内容は用途別規格に乳等の項目を設けて記載する。
5、1群の場合、製品と接触する内面の材質に関する規制は原則として残す。合成樹脂加工紙製容器包装にあっては、合成樹脂製容器包装に認められている添加剤も使用できるようにする。端面については、現行の乳等省令、告示ともに記載されておらず、特に言及する必要はないのではないか。
6、添加剤は個別試験により1群でも使用が可能となる方向を検討する。添加剤の自主基準の整備のために1群の容器に使用可能な物質をリストアップする方向性を検討する。
7、調製粉乳の規格は用途規格として残すべきである。ベビーフードは加えない。
8、溶出試験における乳の疑似溶媒も検討する必要がある。水、10%エタノール等またその際の基準値も検討すべきである。

その他の意見
厚労省:基準の改正は段階的にやるということもある。研究者は省令のメリット、デメリットの評価をして欲しい。
乳協:乳等省令で規定するか、告示で規定するか、ポリシーの部分で乳業界がどう考えるかの議論もある。告示に統一し、単一でわかりやすいものに改正して欲しい。

以上の課題の方向性に基づきこれを精査するため、分担研究者は以下の検討課題毎に当協会の担当者を定めた。
1、乳等省令を告示に移行させた場合の告示原案(たたき台)の作成(辻井)
2、ポリエチレンの添加剤のリストアップ(多田)
3、ホットメルトの材質のリストアップ(森)

各担当者より18年度厚生労働科学研究は会員において大きい影響が出る可能性があるので、部会ごとの審議協力も必要となることから要請があり、協会は平成18年8月2日、前年の研究内容報告を含め協会各部会長に説明会を開催することにした。

この説明会以降については次号に記載します。

厚生労働科学研究への参加 -9-

前号で述べたように、平成18年度の厚生労働科学研究の内容は今後の業界の動向に影響を与える可能性が高いので、平成18年8月2日、厚生労働科学研究報告会(平成18年研究班会議事前打合せ)が開催された。

出席者
分担研究者
日本乳業協会−常務理事
日本乳容器・機器協会
紙コップ部会−鈴木(三陽紙器) 、新素材部会−米田(東洋製罐)、 蓋材部会AL蓋−山本・大田(昭和アルミ)、樹脂蓋−石井・菊地(日本クラウンコルク)、厚科研委員−多田(東罐興業)・辻井(日本紙パック)・森(東洋製罐)・土屋(日本テトラパック)、事務局−椿山事務局長・江刺家事務局次長・青島顧問

1.平成17年度分担研究報告書について
平成17年度は、乳等省令における乳等用器具・容器包装の規格基準の問題点について規格基準の整備に資するための調査検討を行った。
@ 器具・容器包装の乳等省令における適用範囲及び告示との関係
A 乳等の器具の規格
B 使用できる容器包装
C 容器包装の形態とその原材料
D 容器包装の試験規格
E その他の事項
 ― 常温保存可能品
 ― 容器包装の殺菌について
 ― 紙製容器包装
F 新規容器包装の申請制度
上記について、厚科研委員より各項目別に詳細にわたり説明報告がなされた。

2.平成18年度厚生労働科学研究について
平成16年度より始まった厚生労働科学研究は平成18年度が最終年度となり、報告書も最終報告としてまとめられる。日本乳容器・機器協会は、研究協力者として主任研究者及び分担研究者に協力し、あるべき乳等の容器包装規格への改定に資するべく、調査研究を進めてきた。
関係各位には今までも説明の機会を設けてきたが、今回の研究を行う理由のひとつとなった乳等省令が複雑かつ難解であるという指摘に関しては、乳等省令の説明会の開催を検討し実施したいと考えている。厚生労働研究の結果がそのまま省令に反映されるものではないが、今後参照される可能性は高く、その最終年度にあたって乳等容器包装のあるべき姿として協会としての立場を再確認するに当たり、会員各位のご意見を伺いたい。

3.今後の方向について検討
@器具についての規格基準
当協会には、乳機器部会があるが器具の範囲は広く当協会だけでの検討では困難と結論付けた。従って今回の厚生労働科学研究では、器具の規格を検討する対象とはしていない。研究班会議で取り上げるか又は今後何らかの形で、規格基準化する必要があるか検討されたい。
A全て告示に移行することについて
乳等の容器包装規格を告示に移行する際は、いわゆる一群は乳等省令に残しその他を告示に移行するという原案を研究班会議の事前打ち合わせに提言した。主任研究者は、全てを告示に統合することを目指していたが、移行原案を作成するにあたり整合性に欠ける部分もあり、当協会としては一群を乳等省令に残すことを引き続き協会としての方針としていく予定だが、当該方針についても検討されたい。
B告示へ移行する規格(2群及びクリーム)について
原則として現状の規定内容をそのまま移行することとするが移行に当たって現状の規定に問題点があれば指摘頂き、その理由につき提示頂きたい。原則として告示の規格に合わせる方向であり、告示に準拠することになる。
C原材料規格化による移行
現状の乳等省令では、容器包装規格が乳等の種類、容器包装形態によって定められている。一方で告示では、ガラス等、合成樹脂、ゴム、金属缶の材質別に区分され 規格化されている。乳等の容器包装規格を移行することにあたって、材質別規格を規定する方向ではあるが、新たに規格基準を設けることが難しいと判断される場合には、乳等省令の規格をそのまま移行せざるを得ないことが予想される。
D原材料規格化の方法
乳の容器包装規格は、内容物に直接接触する部分の合成樹脂を厳格に規定しており、告示に定められている合成樹脂の個別規格にある「主成分とする」という規定とは整合しない。したがって、材質別規格は、規格値も含め用途別規格に乳の容器包装規格を設け、そこに規定することとなるがそのまま厳しい規定を移行することになると想定される。
E端面について
端面については、乳等省令及び告示に記述がないため、新たに記述することもないと思われる。材質規格として、例えば「紙及び板紙」などと規格化する場合には問題ないものと思われるが、乳等省令をそのまま移行する場合には、取り扱いが不明瞭になるおそれがある。
F添加剤の規格基準について
乳の容器包装規格は、内容物に直接接触する部分の合成樹脂に使用できる添加剤についても厳格に規定されている。この企画基準については協会として乳等省令のあるべき姿を再度検討し、厚生労働科学研究の報告書に記述するかなどの検討が必要と判断している。そのためには現状確認のため最低限の物質をリストアップすることになるがその選定基準の設定はかなり困難な作業となる。
Gホットメルトの規格基準について
乳の容器包装規格は、内容物に直接接触する部分の合成樹脂を厳格に定めているが2群の密栓用の合成樹脂加工アルミニウム箔では特例的に使用できる合成樹脂の規定がない。したがって、材質・溶質試験に適合すれば、ホットメルトも使用可能になるが添加剤と同様に1群にも使用できるようにするかどうか検討が必要。
H金属缶の規格基準について
金属缶の金属については、材質規格がないが、乳等用の金属缶メーカーのすべて当協会の会員ではないことから、当協会だけでは規格基準を規定できないと判断される。当協会で会員外の金属缶メーカーにご参加を打診する、あるいは金属缶メーカーの協会(乳等以外の金属缶も含む)への検討依頼が選択肢と考えられる。
I浸出用液及び規格値の変更について
乳等省令では蒸発残留物試験には、4%酢酸を使用しているが国際的に整合性を持たせることから、10%エタノールを選定する必要と判断する。規格値については、浸出用液を乳に応じたものに変更するので、告示と同じ規格値でよいものと提言したい。
J強度等試験の廃止について
例えば新規容器包装の実用化に当たっては通常各会員が自主的に強度試験を実施し、その試験項目は、乳等省令に定める強度等試験より実情に即したものではないかと判断される。したがって原則として削除する方向だが、一方、同じ仕様の容器包装が清涼飲料水に使用されているので、告示に移行する場合は、整合性を配慮する必要があると考えている。

このように委員からは厚生労働科学研究分担研究について、平成18年度(最終研究年度)の内容について報告があり、関係各部会に意見を求めた。また厚生労働科学研究分担研究に関する全般的な疑問点などについても事務局を通じ、厚生労働科学研究WGメンバーに対する問合せを可能とした。
(次号に続く)

厚生労働科学研究への参加 -10-

引き続き厚生労働科学研究について時系列で述べることとしたい。
先の厚生労働科学研究報告をうけて、平成18年8月22日、コップ型容器部会、蓋材分科会を開催し行った審議の結果を厚生労働科学研究WGに意見として提出した。

乳第1群への密栓用の合成樹脂加工アルミニウム箔について
密栓用あるいは密栓用途の合成樹脂加工アルミニウム箔については、告示370号器具及び容器包装の規格基準における用途別規格中の清涼飲料水の容器包装及び乳等省令中の第2群容器包装規格に記載されている。
これは、密栓用あるいは密封用途の合成樹脂加工アルミニウム箔については、ホットメルトと呼ばれる一般合成樹脂扱いのシーラントが広く使用されてきたため、清涼飲料水並びに乳第2群用途への適用除外とならないようにされた処置と判断されるが本件につき乳第1群についても検討をおこなった。

  • 乳第1群に対する合成樹脂加工アルミニウム箔規格制定について
  • 1、現在、乳第1群に対し容器包装形態として組み合わせ容器包装を併せて合成樹脂加工アルミニウム箔が記載されていない。合成樹脂加工アルミニウム箔を追加することに対する安全性の問題は特にないと判断されるので、追加記載する方向で答申を検討頂きたい。(合成樹脂種類については、再内面については現在認められている合成樹脂(ポリエチレン及びエチレン・l−アルケン共重合樹脂)とし、非接触部分の場合ナイロン及びポリプロピレンも使用可能とする。)厚生労働科学研究においては、容器包装種類の規制ではなく、材質規制の方向で研究が進められているので、材質規制の場合には、基材としてアルミニウム箔が記載される形での答申を検討頂きたい。
  • 2、密栓用の合成樹脂加工アルミニウム箔については、現在一般的に以下のシーラント材が内面に使用されている。
    1)ホットメルト―合成樹脂,ワックス、付与材等の混合物は一般合成樹脂扱い
    2)フイルムラミネート―個別規格で管理された合成樹脂にて構成が可能
    3)コーティング―熱可逆性樹脂にて構成され個別規格合成樹脂にて構成が可能
    上記の内、ホットメルト材についてはワックス等の混合比率が高い。有機溶媒抽出時の蒸発残留物量に関して、現在の乳第1群の合成樹脂の蒸発残留物試験については4%酢酸溶液から10%エタノール溶液等への変更が検討されている。そのためホットメルトについては基礎溶出試験を含め新たに実施するのには時間がかかることが想定される。一方で個別規格合成樹脂から構成されているフイルムラミネート並びにコーティングタイプについては、ポリ衛協のポジティブリスト等を利用することにより比較的早く安全性担保のために必要な作業を行うことが可能と考えられる。
  • 3、乳第1群に対し、密栓用の合成樹脂加工アルミニウム箔を記載できるかについて検討を行った。

現在、合成樹脂加工アルミニウム箔については乳第1群に対し使用できないが、これについては改正が必要であり、改正に向けて大きな問題はないと考える。告示370号器具及び容器包装規格における用途別規格中の清涼飲料水の容器包装及び乳等省令中の2群容器包装規格に記載されている密栓用の合成樹脂加工アルミニウムについてはホットメルトの例外処置であり、乳第1群の様に「ポジティブリスト」化されている規格にこれを記載するのは安全性担保のための作業が必要となり時間が掛かるものと想定される。しかしホットメルト以外のフイルムラミネートやコ―ティングタイプのシーラント材については個別規格合成樹脂で構成されていることから、内面に使用できる合成樹脂範囲(添加剤等)を広げることにより対処が可能になると想定される。


一方で日本乳業協会と日本乳容器・機器協会とは数次にわたる協議を重ね平成18年9月20日、「乳等用の容器包装規格に係わる改正の検討(案)」第1次原案を作成し翌21日、第1次原案を主任研究者に打合せ説明した。主任研究者より、主に法令改正案に対する以下の通りの指摘があった。

乳等用の容器包装規格に係わる改正の検討(案)
  • 全般及び第1群
  • 1、乳を省令に残し、乳製品を告示に移行することについては、体系ではなく、安全性確保に基づく表現をとる。
  • 2、材質に紙ふた対応として紙を明示する。再生紙不使用などの記述が必要かは要検討。
  • 3、材質に関する記述を修正して、B,Cについては合成樹脂などとし、認められるPE,LLDPE、さらに添加物を記述し要件として試験規格に適合という構成に改める。
  • 4、蒸発残留物の10%エタノールは、規格値の妥当性に関するので元に戻す。(したがって規格値はそのまま)
  • 5、強度試験は削除。(検討案に理由を明記)
  • 6、二酸化チタンについて98%の妥当性確認のこと。

  • 調製粉乳
  • 1、合成樹脂ラミネートの定義が必要。
  • 2、構成は試験方法を前に持ってきて、ヒ素、カドミウム及び鉛、アンチモン、ゲルマニウムの試験法は告示の試験法に変更。
  • 3、材質試験を削除。(告示に準拠)
  • 4、強度試験を削除。

  • 第2群
  • 1、「蓋材」の言葉は使わず、「密封の用に供するもの」 という記述にする。
  • 2、溶出試験については合成樹脂自体の試験ではないことを明確にする。
  • 3、材質の記述については上記同様、構成を修正。

以上の指摘事項を修正加筆し、平成18年8月25日、「分担研究班」 乳等用器具・容器包装の規格基準に関する研究の分担研究者、日本乳業協会委員および日本乳容器・機器協会委員出席のもと縮小委員会が開催された。審議事項は以下の通りであった。

  • 1、事務局による事前打合せ内容の説明
  • 2、当協会辻井委員による乳等の容器包装規格の告示への移行案の説明後以下のような討議が行われた。
  • 1)乳等省令の容器包装に係わる規定を、第1群も含めて告示370号に移行する場合の告示の記載内容については検討したが、乳等省令の規定を告示に移行した場合多くの基準値等で除外規定を入れることが必要で、告示の内容は極めて煩雑になる恐れがある。また、第1群の基準値が告示の半分である根拠の説明が必要となる。
  • 2)牛乳は乳幼児並びに学校給食に用いられる安全性が特に厳しく求められる食品である。
  • 3)第2群で規定する食品は既に一般化しており、告示への移行が適当である。
  • 4)調製粉乳は「特殊な」用途であること並びに別途研究が行われている金属缶の研究班は液状品をその対象としており、規格内容が現状の調製粉乳とは異ならざるを得ない。
    したがって、事前打合せの結論としては第1群並びに調製粉乳の規定は現状のまま乳等省令に残し、第2群及びクリームの規定は告示に一本化するものとしたい。とした。その他以下のような議論が行われた。

  • 第1群の規定を乳等省令に残した場合の問題点の解決方法
  • 1、製品と接触する最内面の規定のみとして、第1群のポリエチレンに材質別規格を作成するものとしたい。
  • 2、最内面以外に使用するラミネート材は規定しないこととし、端面は製品と接触する最内面の除外規定とし、その安全性は最終容器形態での溶出試験で担保する方向としたい。

第1群に使用できる添加剤の追加要望
添加剤の追加では、酸化防止用の二酸化チタンを現実的に使用できるように変更すること、密栓のための安全性の確保のためにキャップの滑剤が必要である。

  • 第1群に使用する蓋材のシーラント
  • 1、安全性が担保されたシーラントを使用する。当面は第1群のPEとする。
  • 2、イージーピール性をもたせるためには、添加剤と混合物(低融点ポリマー)が必要になる。
  • 3、第1群の蓋にアルミ及び紙製の蓋を追加したい。

  • PET樹脂の承認追加要望
  • 1、日本乳業協会では、厚生労働省にPET樹脂を第1群に使用できる材質として承認を求める動きをしているが、厚生労働省から情報の収集を求められている。ついては、日本乳容器・機器協会の協力を得てポリ衛協等から情報を行いたい。
  • 2、PET樹脂は汎用性のある材質を求めたいので、告示と同等の「主たる成分」の文言が入った材質としたい。
  • 3、事前のリサイクル関連の調査及び調整が必要である。

以上の事項を検討審議して2次修正原案・3次原案について分担班で協議検討の上主任研究者・分担研究者との協議を行い、第一回研究班全体会議が平成18年10月5日、主任研究者・分担研究者・厚生労働省担当官並びに日本乳業協会・塩ビ食品衛生協議会・ポリオレフィン等衛生協議会・日本乳容器・機器協会全各委員が参集して開催された。

  • 討議内容
  • 討議内容1、最終年度の研究内容について
    主任研究者より、挨拶と共に今年度をもって終了の旨の説明がなされた。
  • 2、乳等の容器包装規格の現状
    資料に沿って辻井委員が説明を行い、分担研究者が質問を求めたが特になく、現状が確認された。
  • 3、乳等の容器包装規格に係わる改正の方向性
    資料(改正原案)に沿って辻井委員が説明を行い、分担研究者が次の三点の提案を行い、反対意見はなく報告書の方向性が確認された。
    1)より安全性を確保するために乳については、整理して乳等省令に残すこと
    2)クリームを含む乳製品についてのみ、告示370号に移行すること
    3)調製粉乳については、乳と同様に、整理して乳等省令に残すこと
  • 4、乳及び調製粉乳の容器包装の材質規格
    当協会辻井委員資料に基づいて説明を行った後に討議を行い、以下が確認された。
  • 1)容器包装の試験法
    @乳等省令の試験法と規格基準は告示に倣い区分して記載し、試験法を先に記載する。
    A強度試験法は削除する。
    なお、強度試験法の削除に関して、厚労省からは単に削除するのではなく、業界で受け皿を確保するのが良いとの考えが示され、日本乳容器機器協会で容器ごとの自主基準化について検討することとした。
  • 2)容器包装又はこれらの原材料の規格及び製造方法の基準
    @ガラス瓶の記載は現行と同一とする。
    A合成樹脂に関する記載に、内容物と直接接触する部分として「端面」を除くことを明記する。「二酸化チタン」の純度については、現行の規格では使用できない理由を明記し、当該物質の添加物規格の変更の経過をさらに調査する。原案の表面処理の記述は削除する。内容物と直接接触する部分に使用する合成樹脂の溶出試験は、「端面」を含めて溶出試験であることが確認された。
  • 3)その他
    @常温保存可能品の遮光性の但し書きは「ただし、内容物の品質の低下のおそれのない場合のあっては、この限りでない。」とする
    A例外容器申請承認を求めることができる者に「輸入者」を含めることについては、日本乳容器・機器協会で更に検討を行う。例外容器申請の許可内容の一般規格化前の公示化について要望が行われた。
    B容器の殺菌規定は原案通り記載する。
  • 4)乳等省令に定める乳製品の容器包装規格の告示への移行
    @ガラス瓶については告示の清涼飲料水の規定「回収して繰り返し使用するものにあっては、透明なものであること。」と同一とする。
    A合成樹脂に関し金属缶にラミする樹脂についての取り扱いについて質問が出されたが、このものは塗装ではなく、本文で読み込み、基準の合致した合成樹脂を使用することを確認した。
    Bこの案で規制されないチーズ等の乳製品の容器の取り扱いに矛盾が生じないかとの疑義が出されたが、第2群で規制された特殊な制約の一部を告示に残すことにしたとの整理で矛盾は生じないことを確認した。
    C密栓の用に供するものについては主任研究員より、フェノール溶出基準については日本乳容器機器協会で一度確認するよう指示があった。
    D常温保存可能品の記載については常温保存可能品である乳飲料に対する遮光性等の規制を明確にするための告示にも記載することとした。
  • 5)調製粉乳の容器包装
    @合性樹脂ラミネート容器包装の記載内容については調製粉乳製造関係者で検討する。
    A組み合わせ容器包装についてはその記載の必要性を調製粉乳製造関係者で検討する。
  • 6)その他確認事項
    @調製粉乳の缶にかぶせて販売するオーバーキャプは、密封出来るので容器包装の一部とみなしている。(厚生労働省)
    A調製粉乳の缶に入れてあるスプーンに ついて自主規格を作成する必要がある。

以上の審議を経て、原案を再度詳細に検討整理の上最終案とすることとした。尚、調製粉乳の容器包装規格の検討については、平成18年11月16日に関係者を集め分科会を開催することとした。

次号で、本研究の最終報告書に至るまでの内容について記して厚生労働科学研究についての記述を終了としたい。
(次号へ続く)

厚生労働科学研究への参加 -11-

平成18年10月11日、関係者に対し以下の案内が出された。

平成18年度厚生労働科学研究事業
(分担研究)乳等用器具・容器包装の規格基準に関する研究

この分担研究につきましては、本年度を3カ年の最後の年度として実施しており、最終報告書を纏める年度となっております。
研究班の大きな流れは、クリームを除く1群と調製粉乳はこれまで通り乳等省令の中で規制し、2群については、告示370号に落とし、それぞれの規制の中身を見直す方向が確認されております。
去る10月5日に実施した研究班会議の中で、調製粉乳の容器包装の規制のあり方について整理すべき問題が提起されましたので、調製粉乳の中身と容器の製造者で打合せを持つことといたしました。
つきましては、お忙しい中恐縮ですが、下記の打合せを実施致したく、ご参集をお願い致します。

日 時   平成18年11月16日(木) 14:00〜16:00
場 所   乳業会館 会議室
議 題
 (1)研究報告書における、調製粉乳の規制の方向について
    具体的には、
    @合成樹脂ラミネート容器包装の説明文について
    A組み合わせ容器包装の取り扱いについて
     金属缶の説明文を修正して、このものの記載を削除する方向はどうか。
     新たな機能を持たせた容器として、組み合わせ容器の記載を残す必要があるかどうか。
    B製品の中に挿入するスプーンの規格について
     現在なにも規制されていない状況にあるものについて、例えば自主規格を作成する方向を
     どう考えるか。
 (2)その他

以上

これに基づき11月16日、調製粉乳の容器包装の規制の方向について(分科会)が以下の参加者で開催された。

出席者
 分担研究者
日本乳業協会‐ 常務理事
 研究協力者
 明治乳業‐ 包装G課長・技術部技術1G
 森永乳業‐ 食品総合研究所 包装開発室長
 和光堂‐ 品質保証部長・品質管理課長
 ビーンスターク・スノー‐ 生産部長
 アイクレオ‐ 製造統括部長・品質保証部長
 日本乳業協会‐ 生産技術部長
 日本乳容器・機器協会‐ 事務局次長 江刺家敏
 日本紙パック‐ 品質保証部主席 辻井芳彦
 東洋製罐‐ 開発本部 主席部員 森泰治
 北海製罐‐ 技術管理Gリーダー 吉澤英幸
 大和製罐‐ 研究管理室長 山本賢二
 日本製罐‐ 技術開発部長 宮谷久仁夫
         購買部次長 池田幹雄

席上日本乳業協会生産技術部長より以下の「調製粉乳の容器包装規格の検討(案)」が提示された。

1、調製粉乳の容器包装の現状
調製粉乳は、金属缶、合成樹脂ラミネート容器包装又は組み合せ容器包装の使用が可能であり金属缶は内面に合成樹脂を塗布した塗装缶を含むが、省令では明確に表現されていない。また、特に材質の記載はない。一方で「開口部分の密閉に使用する合成樹脂」という記述があり、これは缶を明けた後、再封するに使用するオーバーキャップのこと(厚労省専門官)とのことであるが、本来オーバーキャップは器具である。
合成樹脂ラミネート容器包装及び開口部の密閉に使用する合成樹脂については、使用できる材質としてポリエチレン、エチレン・1−アルケン共重合樹脂又はポリエチレンテレフタレートと規定されている。
金属缶については、乳等省令では溶出試験も規定されていないが、告示に定める規格試験に適合する必要がある。

2、調製粉乳の容器包装規格に係る改正の方向性
原則として材質による規格基準とするが、金属缶については金属製容器包装という表現とする。内容物に直接接触する部分の合成樹脂については、合成樹脂(フイルム等)と合成樹脂の塗装の区別を明確にする必要があるものと思われる。一般的に塗装する合成樹脂は、熱硬化性合成樹脂であり、溶出試験による溶出は少ないものと推察され、乳等省令では従来どおり溶出試験等を規定しない。ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性合成樹脂を使用する場合は溶出試験などの試験規格を規定する。
これに基づき出席者に以下の具体的な事項について確認が求められた。
  • @ 容器形態による容器包装の記述の削除
    合成樹脂ラミネート容器包装及び組合せ容器包装の記述がなくなるが問題はないか。
  • A 合成樹脂の塗装及び合成樹脂
    密封に使用する合成樹脂などと合成樹脂の塗装とが異なることが読み取れるか。
  • B 金属製容器包装の開口部分の密封
    金属缶の開口部分の密閉に使用するものとは、開封後にふたをするオーバーキャップという見解もあるが、溶出試験では「密閉に合成樹脂を使用したものは、当該部分が下になるように浸出溶液を満たす」とされており、容器包装にはオーバーキャップが含まれないものと考えられる。
  • C 強度試験の廃止
    強度試験については、内容物及び容器形態にかかわらず廃止し、自主基準で補完する。
  • D 殺菌規定の表現
    容器包装形態の記述を廃止する際に、殺菌規定についての表現をまとめているが、部分的に殺菌したものが殺菌効果を有する方法で製造されたものと読み取れるか。
  • E 告示の金属缶の試験規格との整合
    今年(注:平成18年)3月に告示が改正されたことにより試験方法が変更になっている。分析精度が向上し実質的に規格が厳しくなったもの(フェノール)があり、確認が必要。
  • F 計量スプーン及びオーバーキャップの規格について
    計量スプーン及びオーバーキャップは器具と考えられるが、例えば計量スプーンは、内容物と接触する時間が一般的な器具と比較して長いものと考えられる。乳等省令上の整理に伴い乳等の2群の規格を目途に自主基準として規格化し、安全性担保を補完する必要があるものと思われる。

3、検討結果
  • @ 調製粉乳の容器包装の現状及び調製粉乳の容器包装規格に係わる改正の方向性に反対意見はなく、検討案は了承された。
  • A 容器形態による容器包装の記述の削除
    調製粉乳の容器包装は原則として材質別規格とする案は了承された。
    合成樹脂ラミネート容器包装については、当該容器の製造者が出席していないので、本検討案での問題の有無を調製粉乳製造者が包材メーカーに確認して、乳協事務局に今月中に報告することとした。
  • B 遮光性と気体透過性の扱い
    商品開発の余地を残すために、1群の記載と同様の記載(遮光性を有し、かつ、気体透過性のないものであること。ただし、「内容物が品質のおそれのない場合にあってはこの限りではない」とすべきとの意見もあったが、内容物の変質を守るのが最も重要であるとの観点から、「容器包装は、内容物が品質の低下のおそれがないように遮光性を有し、かつ気体透過性のないものとし、密封出来るものとする」とし、報告書には、遮光性の範囲にアルミ蒸着まで含める旨を記載することとした。
  • C 金属製容器包装の開口部分の密封
    オーバーキャップの取り扱いについては、「密閉する器具と解し、開封後引き続き使用する容器包装に添付すること。」と報告書に記載する。
    「密封」と「密閉」の違いについては、販売時の開封前が「密封」であり、開封後が「密閉」と用語の使用を明確にする。
  • D 計量スプーン及びオーバーキャップの規格について
    製品と直接接触するオーバーキャップ及び計量スプーンの材質については、報告書に自主基準を作成する旨を記載し、各社の使用材質について調査を行い、告示の個別規格に適合する等のコメントを付して事務局に調査結果を報告する。
  • E 合成樹脂の塗装及び合成樹脂
    内容物の直接接触する部分に使用する合成樹脂の規定の除外規定として、現行の規定通りに、金属缶の塗装に用いる合成樹脂を除く旨を記載する。尚、インナーシールでアルミ箔に合成樹脂を塗装している開口部は、金属缶の一部と解釈出来ることを確認した。これにより、使用できる材質が増えることになる。
    内容物に直接接触する部分に使用する合成樹脂の記載は、1群と同様の記載方法とし、「ポリエチレンテレフタレート」は「ポリエチレンテレフタレートを主成分とする合成樹脂」と記載する。
  • F 強度等試験の廃止
    破裂強度については、製造者が責任を持つべきものであり、省令の記載を削除することを確認した。
  • G 殺菌規定の表現
    殺菌規定は「調製粉乳の容器包装を製造したものは、製造した当該容器を殺菌すること。」とし、従来通りの殺菌方法と変わるものではない旨を報告書に記載する。
  • H 告示の金属缶の試験規格との整合
    試験法にあっては、溶出試験の際にどちらを下にして実施するかについても含め別途整理する。

従前に述べた審議事項並びに、今回の審議内容を含めて、最終分担研究の報告書原案に関して、平成19年1月16日に乳等省令改正案の新旧対照表を基に分担研究者及び担当事務局員等が、主任研究者を訪問して、詳細にわたり報告・説明をおこなった。その結果、平成18年度(分担研究)乳等用器具・容器包装の規格基準に関する第2回研究班会議を、平成19年2月23日に開催することにした。
(次号に続く)

厚生労働科学研究への参加 -12-

「平成18年度(分担研究)乳等用器具・容器包装の規格基準に関する第2回研究班会議」につき各関係者平成19年2月23日付で下記の通りの次第及び議題により開催通知が発送された。

出席予定者
主任研究者 − 国立医薬品食品研究所 室長
分担研究者−日本乳業協会 常務理事
厚生労働省−基準審査課 専門官・担当官
国立医薬品食品研究所−食品添加物第3室担当官

分担研究協力者
日本乳業協会
日本乳業協会−生産技術部長
 明治乳業−技術課長
 森永乳業−食品総合研究所 容器包装開発部長
 日本ミルクコミュニティ−品質管理課課長
 協同乳業−生産技術部課長
 グリコ乳業−品質保証部品質安全グループリーダー
 小岩井乳業−品質保証部担当課長
 タカナシ乳業−品質保証部マネージャー
塩ビ食品衛生協議会
 塩ビ食品衛生協議会−常務理事
 東洋製罐−塩ビ食品衛生協議会 文献委員長
 ポリオレフィン等衛生協議会−専務理事・技術部長
日本乳容器・機器協会
 事務局長 椿山 佳明
事務局次長 江刺家 敏
 顧問 青島 靖次
 日本紙パック
−品質保証部主席技術調査役 辻井 芳彦
 日本テトラパック
−製造本部品質保証部マネージャー 杉山 繁哉
 東罐興業
−販売本部カスタマーソリューション部長 多田 国昭
 東洋製罐
−開発本部カスタマーソリューション主席  森 泰治

議題
研究報告書記載内容  研究報告書記載内容について
1. 配布資料
 (1)食品衛生法に基づく乳及び乳製品1の成分規格等に関する省令(乳等省令)
    改正案 新旧対照表
 (2)食品衛生法に基づく乳及び乳製品1の成分規格等に関する省令(乳等省令)
    試液及び試験法 改正案 新旧対照表
 (3)食品衛生法に基づく食品、添加物等の規格基準(告示)改正案 新旧対照表

2. 配布資料における注意事項
 (1)乳等省令 新旧対照表
@ 器具については変更なし。
A 内容物に直接接触する部分に使用できる材質を規定しない場合は、なんでも使用できるように読めるので、ガラス、合成樹脂、紙を明示するなどの必要があるのではないか。
B 蒸発残留物の浸出用液として20%エタノールを検討。
C 調製粉乳において「気体透過性がない」と「密封」は同じ意味ではないか。(改定案として「密閉」を「密封」と読み替え、さらに補足した経緯がある。)
D 調製粉乳において共通する前処理に関する記述は、試験法に移行する。
E 調製粉乳の塩ビ不使用については、塩ビ食品衛生協議会に意見を求めるべき。
F 調製粉乳の添加剤削除について、二酸化チタンが実用になれば使用したいという要望がある可能性があり、また、整合性を持たせるためにも記述すべき。
G 調製粉乳に付属する計量スプーンについては、乳等省令には、記述しないが自主基準として規格化されるべきではないか。

(2)乳等省令 試液及び試験法
告示にも同じ試験法が規定されている場合は、告示に準拠しなくて良いか。また、告示に準拠する試験法は、改正の際に整合性がとれなくならないように、乳等省令には、告示に準拠する旨の記載がよいのではないか。
 (3)告示 乳等省令
清涼飲料水との整合を図る必要はないか。(強度等試験を削除しない。試験項目の検討など)

上記の事項について慎重に審議が行われ、検討修正を加え当該分担研究者より、以下の平成18年度分担研究報告書を主任研究者に提出することになった。

平成18年度 厚生労働科学研究費補助金
(食品の安心・安全確保推進研究事業)
分担研究報告書

乳等用器具・容器包装の規格基準に関する研究
分担研究者 (社)日本乳業協会 常務理事


研究要旨
 わが国では、食品全般の器具・容器包装の規格基準については食品、添加物等の規格基準(以下「告示}という)に定められており、一方、乳等用の器具・容器包装の規格基準については乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(以下「乳等省令」という)によって定められている。乳等省令は、乳及び乳製品を「乳幼児及び病弱者の栄養食品」と位置付けて定められた省令であり、使用される器具・容器包装の安全性を十分に確保するために、告示と比較して厳しい規格基準を設けている。しかし、乳等のうち乳製品の容器包装規格については、乳等省令に規定されているものは少なく、多くは告示が適用されている。
 乳等省令における容器包装規格は、経年の改正により複雑になっており、昨年の調査結果、乳等の容器包装規格が乳等の種類及び容器包装の形態により規格化されていることで、規格がわかりにくく矛盾が生じていることが明確になった。

 平成16年度(初年度)の研究では、海外では、乳等用としての器具・容器包装の規格基準は確認できず、食品全般についての乳等器具・容器包装の規格基準について欧州連合、米国の法令、規格基準を文献やインターネットホームページ等により、情報収集し、その概要を明らかにするとともに、現行の乳等省令の規格基準と比較した。

 平成17年度の研究では、乳等省令における乳等用器具・容器包装の規格基準の問題点について規格基準の整備に資するための調査検討をした。
乳等省令における容器包装規格が、乳等の種類及び容器包装の形態により規格化されていることで、社会の変化に伴い繰り返し改正されてきたが、追加修正などにより規格基準が複雑となり、また、国際的な整合性には十分かという調査した。

 平成18年度の研究では、本年18年度は当該研究最終年にあたり、乳等用容器包装の規格基準の整備に資するため、乳等省令に定める容器包装規格の告示への統合を含め規格基準のあるべき姿について調査し、平成16年度及び17年度の研究結果をもとに、乳等用器具・容器包装の規格基準について望ましいあり方及び改正原案を検討した。

 研究成果及び考察として検討した事項を以下に記す。
1. 乳等の容器包装の問題点
(1)乳等の種類と容器包装規格
(2)容器包装の形態と規格基準
2. 乳等の種類と規格基準のあり方
(1)乳
(2)クリーム
(3)醗酵乳、乳酸菌飲料及び乳飲料
(4)調製粉乳
(5)乳等容器包装規格の枠組みの見直し
3. 乳等省令の見直し
(1)乳等の器具の規格
(2)乳の容器包装規格
  @容器包装の分類
  Aガラス瓶と紙のふた
(3)調製紛乳の容器包装規格
(4)試験法
  @一般試験法
  A強度試験法
  B試験法の記載方法
(5)その他の規格基準
  @常温保存可能品
  A容器包装の殺菌
  B新規の容器包装の申請
4. 乳製品の移行に伴う告示規格基準の見直し
(1)乳酸菌飲料を販売するコップ販売式自動販売機の規格
(2)醗酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料及びクリームの容器包装
5. 乳等省令別表四及び告示用途別規格の改正案(比較対照表)
6. 告示の用途別規格の改正原案(比較対照表)
 その他、健康危害情報、研究発表、知的財産権の出願・登録状況に関しては検討の上除外した。
結論
以上を審議の結果、結論として、乳及び乳製品の成分規格に関する省令四に規定されている乳等の器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の規格及び製造方法の基準について検討を行った。乳(牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳及び加工乳)及び調製粉乳は「乳幼児及び病弱者の栄養食品」であることからこれらの器具・容器包装についても告示より厳しい規格基準を存続させることとし内容を分かりやすく整理して改正原案を作成した。
 一方、醗酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料及びクリームの器具・容器包装に関する規格基準は食品、添加物等の規格基準に統合することとした。そして、用途別規格にこれらに付加的に必要な規格を加えることとし、それらの改正原案も作成した。これ等の改正原案は、これまで複雑で難解であった乳等省令の規格基準を、安全性が高く、しかもわかりやすく整合性のとれた内容に改正するものである。食品衛生行政において、これ等の改正原案ができるだけすみやかに検討され、実施に移されることを期待する。

以上を審議検討され各委員の確認が行われた。これにより平成16年度から3カ年の長きに及んだ継続審議・調査した結果をが「厚生労働科学研究・食品の安心安全確保推進研究事業の食品用器具・容器包装分担研究の報告書」として主任研究者に堤出された。

なお当該報告書のようにまとめられた分担研究報告書は以下の通りであった。

1. 金属製器具・容器包装の安全性向上に関する研究
2. 金属缶の規格基準に関する研究
3. 乳等用器具・容器包装の安全確保に関する研究
4. 紙製器具・容器包装の安全確保に関する研究
5. 器具・容器包装に残存する化学物質に関する研究
6. 乳幼児用玩具の規格基準に関する研究

主任研究者は、総括研究要旨として以下のように述べた。

 食品と直接接触して使用される器具及び容器包装並びに乳幼児用玩具の安全確保のため、金属製器具・容器包装、金属缶、乳及び乳製品用容器包装、紙製器具・容器包装、乳幼児用玩具、並びにそれらの残存物質について、安全性確保の仕組み、海外及び我が国の規格基準の比較、試験法の開発、製品等の試験調査、規格基準の見直し等をおこなった。

 金属製器具の金属組成の分析、鉛等有害金属の材質試験及び溶出試験を実施した。
これまでの研究をもとに、食品衛生法の金属製器具・容器包装に関連する規格基準のうち、金属、メッキ用スズ及びハンダの鉛含有量については、食品用途に鉛の使用を出来るだけ避けるという観点から、前二社は0,1%以下、後者は0,2%以下と現行の規格値の1/50〜1/100に引き下げ、また銅製品のメッキについては高熱により剥離しやすい器具を除外するという改正原案を作成した。

 金属缶の規格基準の溶出試験について、製品の使用条件を担保できる試験条件を設定するために、モデル試験片や各種金属缶を用いて試験温度や疑似溶媒の検討を行い、加圧加熱殺菌における金属缶の安全性に十分に配慮した溶出試験の改正原案を作成した。

 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令別表四で規定される乳等の器具・容器包装の規格基準のうち、発酵乳、乳酸菌飲料等の乳製品については、食品、添加物等の規格基準に統合して用途別規格を設定し、乳及び調製粉乳については乳等省令の中で記載内容の整理を行うことが適当と結論され、それぞれの内容を検討して改正原案を作成した。
 紙製器具・容器包装について、原料物質、製紙工程における優良製造規範、再生紙の安全性、紙製品中の残存物質などの検討を行い製紙業界の自主基準案を作成した。
食品衛生法の紙関連の規格についても検討を行い、また紙製容器包装及びダンボールの自主基準も検討中である。

 器具・容器包装中の化学物質として、ABS樹脂の1、3−ブタジエン、アクリロニトリル、紙の芳香族第一級アミン、陶磁器等のヒ素、合成樹脂の全有機炭素量等について、試験法の検討や製品の実態調査を行った。また、細胞形質転換試験においてアビエチン酸類にプロモーション活性が認められた。

乳幼児用玩具については、繊維性玩具及び木製玩具からのホルムアルデヒドの溶出及び揮散、ポリ塩化ビニル及びポリエチレン製玩具からの総有機物溶出量の指標としての過マンガン酸カリウム消費量および全有機炭素量について検討を行った。

以上を基に、各分担研究者の報告書の内容を詳細に列挙して、主任研究者は、各分担研究者よりの報告書を纏めて、平生19(2007)年4月に厚生労働省基準審査課に提出された。

この研究は当初は厚生労働者担当者の依頼を引きがねとして分担研究者選定からスタートしたが、当時の協会関係者は当初の手探り状態から分担研究協力者として3年間一致協力して、海外状況調査、Q&A、協会内会員に対する調査報告並びに意見聴取に取り組んだ結果をこの報告書として実らせることができた。当時の関係者の方々には改めて謝意を表するものである。この研究の精神は現在の協会の技術的な活動にも脈々と受け継がれ、今後の乳等省令の改正にあたりそのあるべき方向性を示し、また現在の自主基準等の基盤となっていることを申し添えておきたい。

かえりみて

社団法人日本牛乳キャップ協会として昭和36年12月4日に登記設立以来、浅野武矩会長理事、浅野勉会長理事と二代にわたり尚山堂が平成16年6月11日開催の総会まで43年間、会長職をつとめその間事務所が尚山堂内におかれたこともあり本業と掛け持ちで協会事務局を担当して参りました。協会名も社団法人日本牛乳キャップ協会から始まり、社団法人全国乳栓容器協会と変遷し、その後日本乳機器協会との統合により社団法人日本乳容器・機器協会(平成17年4月1日変更・同年4月20日登記)へと発展してまいりました。その協会が大きな節目を迎えたのは、平成16年の40周年記念行事終了後に開催された総会であったと思います。この総会は臼井征之新会長(日本紙パック社長)と椿山佳明事務局長が就任した時ですが、またこの年念願であった独立した協会事務所を乳業会館という最適な場所に置くことが決定し、同年7月1日に、町田市の尚山堂内から九段下の乳業会館6階への移転が実現しました。

この新たな陣容のもと会員への情報提供の強化を目的として「全国乳栓容器協会だより」が平成16年10月25日に創刊されています。創刊号の内容は「事務所開設に当たって」、「日本乳機器協会の統合について」「協会活動状況録」「事務局より」となっており「事務局より」には以下の記述が見られスタートしたばかりの新事務局のご苦労が偲ばれます。

・今回、日頃の協会の活動を広く会員の皆様にお伝えするためにこのような「協会だより」を企画致しました。当面は不定期刊ですが、今後のホームページの拡充電子メールを利用した連絡とあわせ、会員相互の意見交流に役立てたいと考えております。
・協会のホームページは平成14年に開設されましたが、なかなか更新が思うにまかせません。現在事務局では協会情報の適時更新と、アクセスの活発化を目指してホ―ムページのリニューアルを検討しています。とりあえず、活動状況のアップデートや会員会社HPとのリンクなどを手がけているところです。何卒宜しくご意見を賜ります様お願い申し上げます。

その後、順調に「協会だより」も刊行されて参りましたが第6号を2005年(平成17年)3月に刊行するに当たり、事務局より協会設立当時を回顧し、勝手気ままな事柄を思い出すままで良いから、記録に残したいとの事で、「思い出すまま・・協会設立の頃(一)」 と題してスタートしました。最初は、以下の文章から始めました。

日本牛乳キャップ協会が設立されるまでの事について、次のことを語らないと先人たちの苦労が無になってしまうと思ったので、事務局の求めに応じて思い出すままに記してみることにしました。

昭和十一年の二・二六事件を契機に日本は軍国主義の色彩が濃くなってきた。そして昭和十六年に日本の運命をかけた太平洋戦争に突入すると、戦時経済下、当時まで牛乳壜のふたの主流であった王冠は、金属配給統制のため統制され、紙キャップが主流として使用されるようになった。牛乳は配給制となり、あらゆる物資の統制も強化され、当然キャップの原材料も統制された。
当時尚山堂、弘野牛乳用品店、王冠コルク商会(現宝冠)、山下正光堂、清水製作所(現中国乳栓)等は牛乳キャップ同業界を作り牛乳キャップ原材料の配給制に対する対応につとめた。
その後昭和19年、会を強化するため、事務所を尚山堂に置いて、牛乳キャップ同業界として動き始めた。統制された原材料の割り当て、配分その他の業務が主務であり、この時代より、日本牛乳キャップ協会を経て、後の全国乳栓容器協会まで尚山堂の故浅野武矩氏が同業界のリーダーとして力を尽くすことになる。

太平洋戦争が拡大するに従い物資は無くなり、キヤップ原紙の質も落ちた。パラフインも石ロウが多く、あらゆる資材は極度に節約された。当時直接の軍需品ではない牛乳キヤップの製造にはなにも特典がなかったが、先人たちは、次代を担う子供のため、病床に牛乳を求める患者の為には牛乳は不可欠と、空襲の合間を見て牛乳キャップの製造を続けたのだった。
戦後牛乳業界では、昭和21年に東京飲用牛乳協会(後に全国牛乳協会の基となる)が設立された。同じく全国ミルクプラント協会が設立され、翌年には全国飲用牛乳協会と改称され、後に現在の日本牛乳協会へと発展して行く。同時に全国各地に牛乳プラントが復興し、牛乳キャップの需要は急速に増加してきた。また、牛乳キャップの需要増にしたがい、牛乳キャップメーカーも全国各地に散在するようになった。

以上が始まりで、時代を遡り数々の事柄を表裏から、私のノート並びに協会の記録を基に辿ることにしました。また、当協会関係者は当時の役職・実名を記載するが行政関係及び団体、業界関係者その他については、当時の役職名のみ記載に統一とすることにしましたが、このルールは前号まで守って参りました。なお当初は私がパソコンで作成することができないので、原稿は全て手書きで事務局に提出し、それを添削していただき、校正するという手間のかかる手順で、事務局(特に当時の椿山事務局長)には大変ご迷惑をかけました。私が現在パソコンで原稿が作成できるようになったのも「思い出すまま」のおかげということになると思います。
初代会長浅野武矩氏(昭和37年〜同53年)は当時の行政当局よりの要請に基づいて、協会を業界の要とし業界の発展ために当協会のために尽力し、全国に散らばっていた牛乳キャップメーカーに対して種々の適切なアドバイスを行って当時会員より尊敬されていました。また会員同士の「裸の付き合い」のために総会開催場所に東西の会員が集まりやすい温泉地が選ばれていました。昭和53年4月第17回定時総会にて、初代会長の辞任に伴い就任した第2代の会長浅野勉氏 は(昭和53年〜平成16年)、就任時の挨拶で、規模・目的が異なる会員をまとめるためには、当協会が「容器包装の安全衛生」を旗印として掲げて当協会の構成メンバーを集約する他ないと挨拶していましたが、平成14年の創立40周年記念式典での挨拶では「乳等の容器包装は、そのもの自体の安全性はもとより、表示、形状がそのまま顧客の製品であり、乳等の信頼の証となっている。その意味で当協会の国民に対する責任は重要で、ここに公益法人としての使命がある。」と発言しています。私はこの言葉は、現在も当協会に係わる人々の意識のなかに脈々と伝わっていると思っています。
私は、当協会開設以来安全衛生に関連して容器包装起因の大きな事故がなかったのは当協会会員が自主基準等の作成を行い、その目標に向けて一致して努力を行ってきた結果と確信しており、事務局として、次のような信条の基に協会運営に携わってきました。

―協会員には必要な情報をできるだけ共有出来るように努める。
―食品そのもの自体には表示をすることは出来ないので容器包装に表示することになるということからから、行政は無論のこと顧客等の関係諸団体との交流や情報交換を図る。
―「継続は力なり」であり、協会がどうすれば継続できるかを常に意識する。

平成17年に思い出すままを書き始めてから、今年で「十年一昔」と云われる10年を超えた連載で協会の半世紀に及んだ航跡を不十分ながら記述できたことは、私にとっても大変貴重な経験でした。特に鈴木靖浩元会長理事より、「思い出すままや50年史は協会の文化そのものですね」と言われた時は法外の喜びでした。

この度前号をもってとりあえず筆を置くにあたり私の10年を超える執筆を支えていただいた協会員の皆様、事務局の方々のご配慮、ご協力に心より謝意を表したいと思います。特に、椿山元会長理事、江刺家前事務局長、福田元事務局長のアドバイスやご協力、そして事務局の須田さんのやさしいサポートに対しては言葉では言い表せないものがあります。本当に長い間,有り難うございました。

次は、いままで書き表せなかった協会史の裏側にも触れてみたいという誘惑はありますが、やはりこれはオフレコにするべきものなのでしょう。ご興味があれば個人的にお話し致します・・・・・。

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