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自主基準作成の取り組み

顧問 青島 靖次

自主基準作成の取り組み -1-

技官によれば、容器包装例外承認制度の認可をうけた紙容器等の容器包装については、既に技術改革や物流改革によって、乳業界をはじめ飲料業界で広く使用されているが、特に衛生上問題になる問題は無い。この現状に鑑みて厚生省は乳等省令の一部改正作業にはいる。すなわち、いわゆる「容器包装例外承認制度」を改正(一部廃止)し、それにともなう「容器包装衛生規格基準」を制定することを考えている。したがって、協会においては現状製品に考慮した意見及び資料を堤出してほしいとのことだった。

これを受けて、協会技術委員会は同十月三日より厚生省技官出席のもと審議に入った。

一、各試験方法の検討…各会社製品の試験依頼から始まり試験結果報告審議を経て厚生省との調整、
二、各試験装置の検討、
三、厚生省に各試験結果報告、
四、日本包装技術協会 清涼飲料小委員会との調整、などを経て順次厚生省との調整を繰り返し、十一月十七日、厚生省よりポリエチレン製容器包装、ポリエチレン加工紙製容器包装(紙コップを含む)の衛生規格基準の厚生省原案が示された。

協会技術委員会が厚生省に原案についての趣旨説明を求めたところ、今回規格化される型式に該当するものはその規格基準によることとして、今後例外承認を要しないとのことだった。

従って、従前のワックスものは承認制度としてのこるが、

一、ポリエチレン単体容器
二、ポリエチレンフイルム加工紙製容器
三、ポリスチレン容器で、アルミ箔で密栓したもので発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料に使用するもの
四、金属缶
五、ポリエチレンフイルム加工紙製容器(紙コップ)で、アルミ箔で密栓したもの

以上は、承認制度からはずれるとのことだった。

また協会からは厚生省側に、一、溶出試験の数値について、二、溶出試験の試料について、三、容器の定義について、四、アルミ箔と容器と区分けした試験方法について等の質問し、厚生省から回答を得た。
まとめとして、

・ 内容物が直接触れるものは、ポリエチレンに限定し添加剤は不使用のこと。従って直接触れないものについては適用されない。紙の端面は直接触れないものとして取り扱う。
・ 両面ワックスの容器は、例外承認として残す。既に例外承認していたものは承認する。例外承認制度をはずす為には、多少無理をする。近い将来改正すると思われる。この時点でデータが揃えば考慮したい。
・ 意見があれば事務局を通して言ってほしい。
・ 課題として蒸発残留物、過マンガン酸カリはデータをみて、一〇〇〇ccフイルム容器、六五mlの底強度、内圧法は別に連絡する。

上記をもって昭和五十四年二月七日「乳等省令改正と陳情書について」を審議するための役員会が開催された。この席で技術委員会が厚生省原案について審議し、当局と調整してきた事項について説明した。役員会では、省令改正と例外承認についてそれぞれの立場から種々の意見が出た。

・ 今回の改正では、容器メーカー(プラスチック)が野放しになるから改正に反対だ。例外承認の規制があったから紙栓にとってもプラスの面もあった。(紙栓)
・ 承認手続が煩雑で例外承認の撤廃に賛成。(紙容器)
・ 衛生基準ならよいが、フリーにすることは利害関係が出てくるので、はずすことは波紋が大きく止めてほしい。(紙容器)
・ プラスチックには反対する。(紙容器)
・ 業界を混乱させることであって反対だ。(紙栓)
・ プラスチックには関心がない、紙容器に限定する。(紙栓)

以上の結果、例外承認存続に賛成が五社、例外承認廃止賛成が四社だった。省令改正については良しとするも、例外承認については意見が分かれ、厚生省には事実の数字をもって報告した。

その時プラスチックには関心がないと言った役員の一人が、厚生省に出向き、課長に面談して紙栓業者をどうしてくれるのかと苦情を言ったことがあった。

その時課長は、

「○○さん。時の流れに竿は鎖せないよ。今あなたはタバコに火を点けるのにマッチじゃなくて、ライターを使ったでしょう。それに下駄じゃなくて靴を履いているじゃありませんか」

と、やんわり諭し、その役員は一言もなかったという。もっとも後日談があって、その役員は会社に帰るやプラスチックの容器の開発に着手し、いち早くヨーグルト用の容器を開発したという。

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自主基準作成の取り組み -2-

省令の改正について、厚生省は当時の社団法人 全国牛乳協会にも同様の説明会を開催し、要望書 を提出するよう求めた。その結果牛乳協会からは以 下の趣旨の要望事項が出された。

一つは容器包装の例外承認についてで、既に例外 承認を得ている容器で、一般化しているものについ ては、新たな規格基準を設けたうえで例外承認から 除外することを検討していただきたいというものだっ た。 すなわち、当時の容器包装で例外承認されてい るものは、衛生上の問題はなく、特に紙製容器にお いては、牛乳市場の約五十五%を占めている状態 だった。紙製容器などの一般化した容器について は規格基準を設け、承認制度の廃止を願いたい。

二つ目は、当時の乳等省令の「乳」の範囲に低脂肪 乳(加工乳の低脂肪にしたものを含む)を加え規格 化等を願いたいというものだった。 既に諸外国においては、低脂肪乳が規格化され ており、我が国においても牛乳等の多様化のため、 低脂肪乳の定義及び成分規格等の新設を願いた い。 これらが全国牛乳協会からの要望だった。

当協会と全国牛乳協会等の要望が考慮された結果、昭和五十四年四月十六日、「乳等省令」は以下のように一部が改正された。
一.脱脂乳、加工乳の定義、成分規格の一部が改 正された。
二.ローファットミルク(低脂肪乳:乳脂肪分三.〇% 未満のもの)が加工乳の一種として認められ、 乳等省令上の「乳」に加えられた。
三.乳、乳製品の容器包装のうち、ポリエチレン製 容器包装、ポリエチレン加工紙製容器包装等既 にその使用が一般化したものについて規格基 準を設定し、当該規格基準に適合する容器包 装については厚生大臣の承認を要しないことと する。

これをもってポリエチレン加工紙製容器包装が牛 乳容器として正式に認められたわけで、従来のガラ ス瓶容器包装から紙容器包装に加速的に変更され ることになった。

さて話は変わるが、最近乳容器・機器協会の事務 局にあてて、「ガラス瓶容器包装の種類別牛乳に薄 紫色のフードの使用が規定されている、何故薄紫色 のフードになったのか?」という問い合わせがあっ た。後学のためにここに記しておこうと思う。

昭和四十三年五月三十日、「牛乳、加工乳及び乳 飲料の表示に関する公正競争規約」が認定され、同 七月二十六日、「飲用乳の標示の基準に関する公 正競争規約施行規則」が定められた。

当時の牛乳と加工乳は共に商品名に○○牛乳と 表示されていたが、同じ白物であり一見では区別が つかなかった。そこで牛乳と加工乳をフードで区分 けすることについて、当時の公正取引協議会事務局 長より相談があった。当時使用されていたフードの 色は乳業会社により、また製品により赤、青、黄、茶、 緑、橙色などまちまちであった。
その中で紫色のフードは比較的少なかった。そこ で牛乳のキャップフードは紫色に統一することとし、 ただし、キャップに印刷された表示が見えやすくす るために、薄い紫色にしてはどうかと答えた。その結 果、公正取引協議会は、「飲用乳の標示の基準に関 する公正競争施行規則」一の七に 「牛乳」と「加工 乳」の区別を明確にするため、「牛乳」には特定の色 のフードを用い、他の種類別の製品には用いない。 この特定の色は薄紫色とすると定めたのである。

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自主基準作成の取り組み -3-

紙容器が例外承認制度の承認を要しないことになり、牛乳の容器はガラス瓶から紙容器に加速的に変更されていった。紙容器が大量に市場にでると共に、前述の神戸市長の質問(思い出すまま(二十三)参照)のように、多くの消費者、販売店、乳業メーカーからゲーブルトップ紙容器の開封性、なかんずく抗接着剤に関する質問が多発するようになった。

協会は昭和五十八年八月十九日に技術委員会(委員長森永喜久雄十條製紙常務)を開催し、懸案であった抗接着剤の自主基準について審議、検討を開始した。構成メンバーは十條製紙、日本テトラパック、アイピーアイ、トーエーパック、大日本印刷、凸版印刷、本州製紙、山陽国策パルプの八社だった。

委員会は、各社で使用している抗接着剤の開示を求めた。開示について各社は社内で検討し、幾多の問題も出たようだが、各委員の努力によって最終的には全面的に資料が開示されることになった。開示された資料(抗接着剤を塗布した紙容器)は、試験方法を統一して、酢酸エチル、トルエンの溶出試験及び昭和五十四年厚生省令第十七号の規格試験について各社が分析試験を依頼した。

その結果を委員会に持ち寄って集計し、審議を繰り返した結果「抗接着剤に関する資料」を取りまとめることができた。

昭和五十八年十二月十六日、厚生省乳肉衛生課担当専門官並びに技官に対し、協会側から森永技術委員長、鳥居委員、鈴木委員が、技術委員会で取りまとめた「抗接着剤に関する資料」を提出し、内容の説明と質疑応答を行った。

一、 内容容成分について

  • 樹脂と云うことであれば、添加剤とは云えないかも知れない。
  • 各成分の配合率を知らせて欲しい。
  • 溶剤は揮発性分であり、最終成分として表示するべきかどうか。表示なしでも良いのではないか。
  • 色々な組み合わせで各社使用しているが、もっとしぼることが出来ないものか。
  • 各種成分が一般食品の中で使用されているか調べて欲しい。
  • ステアリン酸カルシウム、又はグリセリン脂肪酸エステルは剥離剤として使用できないか。

二、 抗接着材全体試験について

  • 規格限度値が〇・五r/uという単位になっているが、ppm表示にならないか。
  • 限度内となっているものの実測値が知りたい。
  • 試験片は、五p×五pのガラス板を抗接着剤にどぶ漬けし、両面塗布したものを二十四時間乾燥後のものと、実際のカートンに塗布されたもののそれぞれの膜厚はどのくらいか。
  • 試験項目製品の使用条件ももっとしぼれないか。

三、 残留溶剤有無試験

  • 分析法は市販カートンを用いてできる方法が望ましい。例えばアブヘーシブパターンをわざわざ胴面に塗布するなどは実用的でない。
  • マスフラグメントグラフ法は特殊な分析法ではないか。
  • 検出限界が表示されているものは、「検出されず」でもかまわない。

四、 個別分析について

  • ポリエチレンワックスの分析法を知りたい。
  • ジメチルポリシロキサンは単体で分析したのか、もしできるのであれば、他の各成分もやってみてはどうか。

五、 省令第十七号規格試験について

  • 限度内となっているが,実測値が知りたい。


以上のような質問や意見が出て、結局担当専門官からは再度調査して報告するように求められた。

技術委員会は、直ちに指摘事項について見直しし、調査、審議を繰り返した。抗接着剤の溶剤メーカーである大日本インキと東洋インキに対しては、各成分の配合率等の開示を求め、両メーカーからは各種分析試験結果が提出された。

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自主基準作成の取り組み -4-

翌昭和五十九年一月十五日、内容成分、抗接着剤全体試験、溶剤残留有無試験、個別分析、省令第十七号規格試験、その他各種成分が一般食品の中で使用されている実用例等を網羅した。「抗接着剤に関する資料」(第二報)が取りまとめられた。二月二日には岩本委員と鈴木委員が厚生省乳肉衛生課に提出し、説明を行なった。専門官からは、次のような意見が出たが、提出書類は今回の資料でよろしいということになった。

  • 抗接着材には二種類の方法があるようだが、効果の上で特別の問題がなければ、一つに絞った方がよいのではないか。
  • 二つの方法のどちらを採用するかは良く話し合って決めて欲しい。
  • 特に各成分の安全性の説明がつくなら二種類でもかまわないが、中身の個々の成分の説明を求められた時、最後は安全性が問題となるので、第三者に説明できるようにしなくてはいけない。
  • 今回の取扱いは、添加剤として考えざるを得ない。
  • 省令の中で説明するか、自主規制の中で説明するかは、課長と相談の上考えて行きたい。
  • 出来るだけ早く自主規制基準は作成しておくこと。

以上の次第で「抗接着剤に関する資料」については、第二報をもって議了し、厚生省担当専門官の指示の自主規制基準作成に着手することになる。 技術委員会は二月八日から九月七日まで、七ヶ月をかけて審議を重ね、以下の自主規制基準案を作成した。

一、 趣旨  会員が抗接着剤の使用に当たって
 (一) 会員は抗接着剤に用いられる原材料の選  定及び使用箇所に関して、衛生的見地より自主的に規制する。
 (二) 抗接着剤を使用した容器包装の品質に関する衛生試験法を定め、これに合格する容器包装のみを使用に供する。

二、 語の意味 抗接着剤とは容器包装の昜開口性向上を目的として、開口部に塗布する抗接着剤を言い、剥離剤及び糊剤からなる。

三、 適用範囲 乳等省令に定められた乳等のポリエチレン加工紙製容器包装のうちゲーブルトップ型容器包装又は開口部の形状がこれに類似する容器包装の開口部に塗布する抗接着剤。

四、 原材料の選定基準
 (一) 昭和三十四年十二月二十八日厚生告
第三七〇号食品、添加物等の基準第二 添加物に規定された添加物の中から選定した。 
 (二) やむを得ず(一)以外の物質を選定する場合は、米国又は欧州諸国で食品添加物として使用を認められている物質から選定した。

五、 使用する原材料
 (一) 離型剤:シリコーン樹脂、ポリエチレンワックス、大豆レシチン、高級脂肪酸アマイド
 (二) ベースポリマー:セルロース誘導体、環化ゴム

六、 成分規格 抗接着剤に使用する各原材料は下記の規格に適合するものであること。
 イ)シリコーン樹脂、ポリエチレンワックス、高級脂肪酸アマイド FDA間接食品添加物規制の中の175,300樹脂及びポリマーコーティング (B)節(XXV)離型剤基ポリマーとして
 ロ)大豆リン脂質(大豆レシチン) 食品添加物使用基準品
 ハ)セルロース誘導体 FDA間接食品添加物規制の中の175,300樹脂及びポリマーコーティング (B)節(XVI)項セルロース基ポリマーとして
 二)環化ゴム FDA間接食品添加物規制の中の176,170水性及び脂肪性食品と接触する神及び板紙の成分(b)節環化ゴムの項 

七、 使用箇所 密封状態に於いて、内容物に直接接触しない位置に塗布する。
イラスト

八、 衛生試験法 乳等省令三の(ニ)の試験法に準拠する。 

九、 衛生試験成績書の更新   原則として、六ヶ月を超えないものとする。

以上の九項目に渉る自主規制基準案が出来、厚生省専門官、技官との最終打ち合わせの結果、数箇所の指摘を受けて先の衛生試験法共々承認され成案された。

尚、この件で大日本インキ、東洋インキの二社に対しては、協会理事長名で抗接着剤の原材料の一部を開示されることを要請し、了承を得た。

このような経緯で、昭和五十九年十月十八日開催の理事会に於いて、永年の懸案であった「乳等容器包装の抗接着剤に関する自主規制基準」を制定することが承認された。

さらに十月三十一日には理事長名で厚生省生活衛生局乳肉衛生課課長宛に「乳等容器包装の抗接着剤に関する自主規制基準」を提出し、制定の報告をした。

後日談だが、平成六年二月二十四日、紙容器部会の乳等容器の抗接着剤に関する技術委員会が開催された際、出席された当時の厚生省乳肉衛生課係長から、「抗接着剤は将来的には乳等省令の中に組み入れて、公に使えるようにしたい。新しい抗接着剤は食品衛生、労働安全衛生上の点から良い方向のものと聞いている」という話があったことを付け加えておこう。このあたりについては次回で触れたい。

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自主基準作成の取り組み -5-

「乳等容器包装の抗接着剤に関する自主規制基準」が昭和五十九年十月に制定されてから十年ほど経過した平成六年二月二十四日、ふたたび紙容器部会の乳等容器の抗接着剤に関する技術委員会が開催された。冒頭、当時の瓜生専務理事から平成六年度厚生科学研究費補助事業として「乳等容器包装の抗接着剤に関する自主規制基準」の見直しを進めていただきたい旨挨拶があった。

技術委員会は、日本テトラパックの島崎邦夫氏を委員長として議事が進行され、先ず、日本製紙の田口委員から当該自主規制基準が制定されるまでの経過と、今回の改定目的が説明された。  

改訂のねらいは、溶媒を炭化水素系から水性化することで食品衛生、作業環境の面を改良することであった。
日本テトラパックからのシリコーン樹脂を使用しない案もあったが、技術委員会における検討の結果、早期に各社で採用が可能な、離型剤としてシリコーン樹脂(FDA175・300、175・170)、ポリエチレンワックス。基ポリマーとしてアクリル樹脂(FDA176・170)、溶剤(イソプロパノール、水)という日本製紙案が採用された。

技術委員会は、また同時に十年前に制定された基準について、分析技術の向上などより再検討の必要がある項目を検討した。すなわち、

  • 残留溶剤の検出限界は分析技術の向上などより再検討
  • 重金属の溶出試験は現規制基準に何故含まれなかったか調査
  • 蒸発残留物に乳飲料、発酵乳、乳酸菌飲料が欠けている
  • 成分規格 FDAコード、ナンバーがその後変更されていないか確認

等などであった。
これ等について、技術委員会は逐次調査や検査機関の検査、データ収集行った。審議の結果は同年七月五日、厚生省担当係長出席のもと報告、説明会を開催し、厚労省の指導を仰いだ。
報告内容は、

  • これまでの抗接着剤の他に二種(ノントルエンタイプと水性タイプ)を加えること
  • 残留溶剤分析方法の検討
  • 溶剤の分析は食品分析センターに相談して、より適切な分析方法を検討する というものだった。

報告に対して厚生省の担当係長からは、

  • 今回の分析方法ではプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の添加回収率が低い点が、問題視される恐れがある。
  • 使用原材料は自主基準の選定基準に合致しているか。
  • 溶剤については、残留しないという証明の方法。
  • 溶剤の種類はあまりふえないように慎重に検討し、試験法は精度よく合理的な方法を採用すること。

などの指摘があった。

技術委員会は、その後日本食品分析センターに相談し、技術指導をうけ適切な試験方法を確立した。

ポイントは、

  • 溶剤七種類の残留試験方法
  • PGME回収率向上の為の試験方法
  • アンモニアの検出限界向上の為の試験方法
  • プロピレングリコールの検出限界向上の為の試験方法
  • 七種類の溶剤の残留溶剤分析方法は日本食品分析センターと相談の結果、四つの分析方法を確立

これ等を踏まえて現基準の改定必要個所を審議した。その結果、新たに三種を加え抗接着剤は四種とし、衛生試験法は重金属溶出試験を追加、また、七溶剤の残留試験(四つの試験分析法)を定めた改定自主基準の草案を作成した。

この草案を紙容器部会に報告し承認を経た後、平成七年四月二十六日の理事会で、原案通り「乳等容器包装の接着剤に関する自主基準」改定が承認可決された。この改定は平成六年度の厚生科学研究費補助事業であることが自主基準に明記されている。

蛇足ではあるが、この基準作成に尽力された労苦により日本製紙の鈴木美典、日本テトラパックの故島崎邦夫の両氏は、後に協会40周年記念式典に際し協会会長表彰の栄に浴した。   (次回に続く)

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自主基準作成の取り組み -6-

紙容器の市場が拡大するなかで、昭和五十六年三月、厚生省乳肉衛生課より、乳等省令上の規則基準周辺容器について、特に「バッグインボックス容器(BIB)の取り扱いについて」調査研究検討すべく依頼があった。これを受けて同六月十六日、BIBメーカーで乳等の容器に関心を持つ会員7社「日本テトラパック、十條製紙、東罐興業、藤森工業、凸版印刷、大日本印刷、本州製紙」、で全国乳栓容器協会BIB技術委員会(仮称)準備会を開催、後に外部メーカー4社「日本マタイ、澤井製罐、積水成型工業、東都成型、を含めバッグインボックス小委員会を開催して、バッグインボックス容器の試験法と規格問題について審議を開始した。

  1. BIBの定義
    BIBとは、ポリエチレン製容器包装又はポリエチレン加工紙製容器包装を紙函又は段ボール函等に収納して流通する容器包装をいう。
  2. 破裂強度試験
    ア)  BIBの破裂強度試験データー作成
    イ)  使用実績調査
  3. 密封問題
    ア)  封かん強度
    イ)  ピンホール試験
  4. ポリエチレンの材質問題

これらについて、各社のデーターを提出願い、その実態を把握した。

翌五十七年四月以降は、BIB容器について各種試験を実施した。

先ず、乳等容器の破裂強度、衝撃強度試験の比較表作成から始まり、ポリエチレン製容器包装衝撃強度試験結果を下記により集計してまとめた。  

A バックインボックス   
試験法   
内袋に約0,5kg/cuの加圧状態まで水を充填しJISZ1707,7・8(1)Bに規定されるダートを落下させる。

B 小型ポリエチレン製容器
試験法   
ポリエチレン製容器に水を充填しJISZ1707,7・8(1)Bに規定されるダートを落下させる。

翌五十八年四月以降は、
ア) 使用実績調査;流通(充填、輸送、殺菌)用途、容量別生産量
イ) 容器強度;破裂、封緘、落球、落下、圧縮(耐圧)各種    試験結果
ウ) 密栓密封性;バージンシール、ピンホール

これらの、調査と試験結果をまとめた。

昭和五十九年七月二十四日開催のバックインボックス小委員会でそれまでの結果を踏まえた報告原案を審議し、その上で (社)全国乳栓容器協会技術委員会としての結論を、下記の通り同八月二日に厚生省乳肉衛生課に説明具申した。

1、 破裂強度
厚生省令第35号の調製粉乳の容器包装の破裂強度をバックインボックスにも準用したい(この規格は、非常に理解しにくい点があるが、次のように解釈する)

  1. バックインボックスの外側の段ボール箱、紙箱は外包装とする。
  2. 内側のポリエチレンフイルムの破裂強度はバックが2層のものは2層を合わせ、3層のものは3層を合わせてミューレン破裂度試験機低圧型で測定し2kgf/ cu以上であって、外側の段ボールシート・板紙と合わせて測定した数値が10kgf/ cu以上であればよい
  3. ここでいう最大値とは、試料n個の測定値の最大値という意味ではなく、個々の試料の測定値の意味である

上記については異議なく諒承された。

2 密栓密封     
ここでいう密栓、密封とは一度開栓した場合開栓したことが明確となり復元不能となることを言っているもので、封緘テープを使用し、開栓した場合封緘テープが切れるようにしたものでもよい。
封緘テープ以外にシュリンクフイルムによるシール、ピルファープルーフキャップ、注ぎ口のフイルム貼り等も考えられる。
物理的な密栓、密封も無論必要であって、それについては以前のBIB小委員会で審議した通り、昭和五十七年厚生省告示第二十号の合成樹脂製清涼水容器の漏水試験に合格すること(ねじ込みキャップを使用するもの)

3 封緘強度
バックの場合、10秒間で100m/mHGまで昇圧させることは容量上困難であるので、あらかじめ空気を入れて大気圧と合わせて置いてから10秒間で100m/mHGまで昇圧させることで了解を得ている。

4 ピンホール
バックの場合、容量上試験液を満杯にすることは問題があるのでバックの中に試験液を入れて空気を除くことで良いと意見具申する。

5 内容量
牛乳等は 内容量を重量表示することに問題があるので容量表示に読み替えるよう要望する。

6 化学的な規格
ポリエチレン製容器包装と同様になるが、LLDPEの取り扱いについては、技術委員会で検討の結果として採用を要望する

以上の通り三年余の審議経過を説明報告して本委員会は終結した。

これらの結果は省令改正の参考資料となっていったと思われる。そしてこの経験がその後の紙容器の自主基準審議へとつながって行ったのである。

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自主基準作成の取り組み -7-

話は前後するが、昭和五十三年九月厚生省担当局より、「紙容器」「合成樹脂製容器」の規格化について話があった。当時、牛乳容器包装材として「紙容器」「合成樹脂製容器」等のシェアは五十%を超えていたが、その都度容器包装例外承認を得なければならなかった。厚生省によれば、「紙容器」「合成樹脂製容器」の容器包装例外承認制度について廃止を含めた再検討をした上で、規格化を急ぎたい。ついては「紙容器」「合成樹脂製容器」の規格基準につき、具体的試案を意見として提出してほしいとのことだった。

協会は、これを受けて同九月二十八日、日比谷松本楼で、「現在の『容器包装例外承認制度』につき廃止を含めた再検討と現状容器の規格化への取り組み」と題して、「紙容器」「合成樹脂製容器」の規格化について技術委員会(仮称)を開催した。
審議に先立ち浅野勉理事長、佐藤正義常任理事の挨拶と厚生省担当衛生専門官の規格化への取り組みの挨拶を頂き、座長に十條製紙の長谷川尚明氏を選任して議事に入った。
先ず、座長から本日は当局より専門官も加わって頂いているので、各項目について忌憚のない意見を交換して頂き、それを参考に次回から技術委員会(仮称)で規格案について審議を進めて行きたいと説明があり、各論の討議に入った。討議内容は以下のようなものだった。

(1) 規格基準は、食品衛生法を基本として、乳等省令を初め告示四三四号が背景となっている。基準の中で、物理的要件をどう扱うか、検討したいので各位の意見をお願いしたい。
i. 普遍的な規格基準は困難、一般的に普遍化したものを数値表示しているのか。
ii. 1Lのものを中心に担保して行き、小容量のものに適用できるように簡略化するのはどうか。
iii. 予め 成型された紙容器とシート状のものから作るものと基準は区別され、半成型のものは、機械との関係で、破裂、曲げの強度で機械と合わせていくことになる。
iv. 各社でまちまちの社内的な規格を使用している。
1.充填機による機械適性
2.充填後の容器としての適性
3.輸送テスト 消費者にわたるまでの段階であるが基準として普遍的に全体を統一することは困難で特に内容量によって異なる点がある。

(2) 各社では強度の規格はお持ちではないか。1つの試験方法に限定するのでなく、組み合わせの方法により総合方法にて考えたい。
i. 耐圧のデーターがある シート状のもので30kgと15kgのものを持っている 三角形包装のデーターもある。

(3) 落下試験について意見をお願いしたい。
i. 落下試験は無意味と考えている 落下角度や当たり所で異なった結果ができる。 自社テストでは輸送テストのJISを応用して、バイブレーションテストを行った。
ii. 振動テストを乳業メーカーとコンタクトして行った。
iii. バイブレーションを含めて、他の方法がないか検討したい。
iv. 容器のヒートシールは温度・時間・圧力の関係、ポリ厚も厚薄の繰返しをフィールドでテストしている。
v. 材質破壊とかピンホールが当然関連してくる。
vi. 「漏れ」の原因は「材質」と「シール」の問題である、特に「材質」は問題がないが「シール」が問題となる。そこで、
1.破裂強度は数値化できるだろう
2.シール強度も数値化できるだろう
3. ポリエチレンについても関連して解決できるだろう
4. ポリ厚については25μ〜50μとバラつきがある
5.最低のポリ厚25μと紙厚で決めるとどうか

(4) ピンホールテストについて意見をお願いしたい。
i. 清涼飲料テストに意味があるか疑問だが、紙+ポリの場合には、むしろ染色テストが良い。
ii. アルミ材の入ったものは、別テストするという条件にする。
iii. 溶剤で異なることもある。

以上のような数々の意見が出たが、その後厚生省担当衛生専門官より、溶出試験、物理試験が必要ということがわかった。総合して規格案を早急に検討してほしい。特に、1.各種の数値、2.ポリ厚について、3.ラミネートについて、4.アルミの件はとりあえず別記でもよい、などの意見があった。 これらについて次回十月三日より具体的基準案について、検討して行くことになった。

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自主基準作成の取り組み -8-

昭和五十三年九月二十八日に開催された、厚生省担当官を交えた技術委員会で、溶出試験と物理試験の必要性が確認されたので、これを基に十月三日から審議を行い、各社が行った試験データーを集約した。こうして作成した当協会の「乳等の容器包装の規格基準草案」について、更に担当官と協議を重ねた。この草案を基本とする以下の「物理強度試験法」を作成し、意見を付記したうえで、十月二十七日に担当官にあらためて報告した。

物理強度試験法

その後この提出を受けて、本件の進捗が見られたがこれについては次回に述べたい。

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自主基準作成の取り組み -9-

昭和五十三年十月二十七日、当会技術委員会から「物理強度試験法」の試験データと意見が提出されたことを受けて、厚生省担当官より、改めて十一月十七日に「ポリエチレン製容器包装・ポリエチレン加工紙製容器包装(紙カップを含む)」に関する次の試験法(案)が示され、あらためて物理強度試験データの提出と当会の意見を求められた。

A 試験法

イ、ポリエチレン製容器包装、ポリエチレン加工紙製容器包装(紙カップを含む)

1.原料ポリエチレン 環乳第1号とする。
2.溶出試験     環乳第1号とする。 (ただし、蒸発残留物は10ppm以下とする。)
3.強度試験   
(1)突き刺し強度   
(2)破裂強度    (注、試料の固定方法は、添付図1参照)   
(3)漏出試験    (注、この試験名は、後に「ピンホール」と変更される。)   
(4)振動試験   
(5)耐熱試験(紙カップを除く)   
(6)熱封かん強度 ポリエチレン製容器包装、ポリエチレン加工紙製容器包装と紙カップの場合 (注 添付図2参照)

ロ、アルミニウム箔蓋  

1.原料合成樹脂  ヒ素、重金属 環乳第1号 クレゾールリン酸エステル、塩ビモノマー 告示
2.溶出試験    蒸発残留物 10ppm以下  過マンガン酸カリウム消費量 2ppm以下 重金属、フェノール、ホルムアルデヒド  告示
3.強度試験   (1)突き刺し強度 (2)破裂強度

技術委員会は、上記担当官提案について Aの イ、試験法の強度試験中、「振動試験」・「耐熱試験」・「熱封かん試験」とロ、アルミニウム箔蓋の「原料合成樹脂」及び「溶出試験」並びに十月二十七日に当委員会が提案した容器試験の「漏れ試験」・「落下試験」を検討し、これら各衛生(溶出)試験、強度試験の結果に、試験方法の特徴や一般的な利便性などを取りまとめて、担当官に報告した。

報告の概要は次のとおりである。

振動試験は、外装の影響が強く、規格化が難しい。 耐熱試験は、牛乳、乳製品では熱充填の例がない。 熱封かん試験は、清涼飲料の場合より、PEの厚さが薄いので、荷重や試料の採取について検討を必要とする。
落下試験は、ポリエチレン製容器包装及びポリエチレン加工紙製容器包装で、1.2mからの落下に完全に耐えるものはない。

また、技術委員会は、容器の新たな強度試験として、「内圧試験」又は「減圧試験」を対比した結果、容器全体の強度を代表する試験法として、特に「落下試験」「振動試験」に代わりうる試験法として「内圧試験法」(封かん試験法)を提案した。併せて「アルミニウム箔製蓋」と「紙カップの容器包装」の各試験結果を報告した。
尚、「漏出試験」の名は、「ピンホール」に変更することとした。

○ 新たな試験法 封かん試験法(内圧試験法) 密栓した容器包装の側面又は底面の中央に直径0.5pから1.0pの穴をあけ(内容物があるものにあっては、これを除去する。)送気用ノズルを装着し、図のように圧縮機及び圧力計を接続する。
次に、圧縮機を作動して、10秒間で100oHgまで加圧を行うとき、容器包装の破損又は空気もれがないものでなければならない。(注、器具は、添付図2のように接続する。)

これ等の報告を参考として厚生省は、容器包装の例外承認制度に関連した乳等省令改正を進めていくこととなった。


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自主基準作成の取り組み -10-

以上の経過を経て、昭和五十三年十二月十八日に、厚生省乳肉衛生課担当官の求めにより、技術委員会関係者を招集して全体会議を開催した。この会議で「容器包装の例外承認制度に関連した」審議に関して審議内容の説明と質疑が行われた。

当日の出席者は十條製紙長谷川尚明氏、日本テトラパック島崎邦夫氏、東罐興業石原昌具氏以下十三社十八名であった。

担当官の趣旨説明は以下の通りであった。

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乳等容器包装の中でガラス壜以外の例外承認によるものが、市場で多くなり、すでに例外でなくなっている、行政的にも衛生性を担保しつつ事務的な煩わしさを省略したい。

その為には規格と基準により、衛生性を担保する必要がある。取りあえず今回は、一般化した容器の中で規格化できるものについて作業をするが、他の容器を認めないということではない。

例外承認制度は残るが、今回以下に規格化される型式に該当する容器はその規格基準によることとし、以後例外承認は必要としない。

1) ポリエチレン単体容器
2) ポリエチレンフイルム加工紙製容器
3) PS容器で、アルミ箔で密栓したものではっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料に使用するもの
4) 金属缶
5) ポリエチレンフイルム加工紙製容器(紙コップ)で、アルミ箔で密栓したもの

従って、従前のワックスものは例外承認制度として残る。

なお両面ワックスを例外承認制度に残すのは、規格基準化する為には、データが間に合わないからである。内面ポリエチレン、外面ワックスの紙コップについては、条件的にむずかしければ承認制度とすればよいが検討してみたい。

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次に質疑応答が行われ、担当官が回答した。

Q. 両面ワックスのものが、例外承認に残ること はなぜか
A. 一般化したもので、規格が作れるものだけと した。将来の開発をみると、例外承認制度を残す。今回積み残したものがかなりある。いずれにしても従来使えたものが使えないということではない。 ワックスを基準化するために、現在の限度内 を数値化することになる。 いずれにしても現在、技術的可能な範囲でハ イレベルのものを要求することになる。

(1)溶出試験について

Q. 溶出試験の数値はどうなるか
A. 蒸発残留物は現在の30ppmを10ppmに改定す る。同じように、過マンガン酸カリ消費量 10ppmを2ppmにする。
  
Q. 溶出試験の試料について説明を
A. 試験方法は現在内部で審査中だが、容器を成 形して浸出溶液を満たして60℃に加熱して 云々となる。

Q. 容器としての試験であればデータを取り直さ なければならないが
A. 「数値は30ppmと10ppmで良いではないか」 いうことでは基本的に考えなければならな い。そもそも環乳1号があって、初めて紙容 器が普及した。少なくとも、環乳1号をクリ ャーしたものだから普及した。牛乳容器は、 一般容器のものより厳しくなる。一般のもの では微量抽出して良いものがあるが、通常、 成人50kgとして、FDAからしてしても良い としても牛乳については乳幼児7kgで一日 1?飲用で計算すると、かなりの数値になざ るを得ない。そこで、技術的にハイレベルの ものを要求し技術的水準で解決するように したい。   試験方法は考慮する余地はあるが・・・・・

Q. 容器とは
A. 充填機にかる直前のものをいうが、巻取った ものは容器包装といえよう。定義付はむずか しい。いずれにしても、試験方法の解釈で明 確にしたい。  

Q. アルミ箔と容器とを区分けした試験方法に よるのか
A. アルミ箔と紙容器は別の試験方法による。   ポリエチレンフイルム加工紙製容器は現行の ものによるが、アルミ箔を使用して密栓する 紙製容器、ポリスチレン容器は別規格とする。   密栓に使用するアルミ箔は、ホットメルトの 関係で条件的にある程度考慮しなければな らないと思うが現状の技術水準でハイレベ ルのものを使用することを条件として、溶出 値をべつにしたい。  

Q. ポリエチレンフイルム容器での蒸発残留物で 10ppmを超えるものがあるが、また、プルタ ブテープのものも同様だが
A. いずれも、データを提出されたい。  

Q. 告示434号は水質基準から蒸発残留物及び 過マンガン酸カリが決められたのではない か、今回はそれよりも厳しくなるようだが
A. 制定経緯は良く知らないが、水と容器とでは 別ではないか

(2)強度試験について  

Q. 破裂試験の試料で、「容器包装の中央部分」と あるも、容器の一部に  は中央部分に穴が あいているものがあるが
A. 強度試験について、ここまで必要かどうか議 論が出たが、ある程度必要となった。容器包装の中央部とは、容器を構成する主要部分とみる。
材質の強度・・・・破裂試験
シール強度・・・・熱封かん試験(減圧試験)
漏れ試験・・・・・ピンホール試験
振動試験・・・・・耐震試験
破裂試験について容量300mlで区分けして 300ml未満 2,0kgf 300ml以上5,0kgfとす る  

Q. フイルムタイプ1000tは5,0kgfを超えないが
A. フイルムタイプは考慮する。

Q. 熱封かん試験(減圧試験)はどうなるか
A. 減圧室に入れて、100mmHg/分で真空度 200mmHg(気圧560mmHg)として1分 間漏れないこと。
ただ、減圧試験方法は将来研究課題としたい。

Q. 試料の置き方は
A. 内容物を入れた容器の注入部分を下向きに置 いて空中200mmHgの減圧が与えられた状 態で1分間保持して漏れないこと
ピンホール試験は、10%エチルアルコールとする案で問題ない。

Q. 振動試験について説明下さい
A. 耐震強度試験といい、容器試験で輸送テスト の発想はやめ成型された容器試験とする。 方法は容器1個に内容物を入れて振動盤に固 定し、1Gで20分間振動させても、破損又 は漏れが生じないこと。「固定方法」「柔タイ プの処理」については通知・その他で明確に する。

この後紙コップの取り扱いについての質疑に進んだが、これについては次回としたい。

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自主基準作成の取り組み -11-

(3)議題 紙コップの取扱いについて

Q. 紙コップの取扱いについて
A. ポリエチレンフイルム加工紙製容器包装をアルミ箔で密栓したものをいう。強度試験は前述の説明とほぼ同じ。   
ピンホール試験 ┓
振動試験     ┃   は前述の説明と同一
熱封緘試験   ┛

破裂試験は適用するが
容器本体    5,0kgf
アルミ箔蓋   2,0kgf  となる。  
アルミ箔の突き刺し試験は行わない。

Q. ボトム2,5kgf(紙とポリ)胴5,0kgf(両面ポリ)トップ=アルミとホットメルト容量=65cc(本州製紙HoPack)は、どうなるか
A. 検討課題としたい。

Q. 紙コップの場合熱封かんの条件200mmHgとすると乳業メーカーの開け易くとの要望もあってむずかしいが
A. 具体的データでしめされたい。乳業メーカーと相談されるのも一考だろう。

Q. 振動試験、熱封緘試験はあらたに「内圧試験」を採用して代えられないか
A. 現在の作業日程では見切り発車せざるを得ない、ただ、個人的にはより良い試験方法が望ましいので内圧試験は次回の改正資料としたい。

Q. 年内に内圧試験方法の概要を報告するので考慮してほしい
A. 明日連絡したい。

Q. アルミの溶出試験は別でよいか
A. 溶出試験によるが数字は別になる。 ポリエチレンの場合と異なり蒸発残留物15ppm、過マンガン酸カリ5ppm位になるかも、また、ポリエチレン単体は蒸発残留物10ppm、過マンガン酸カリ2ppmとなる。 紙容器はデータをみて考慮したい。

Q. 添加物の試験はどうするか
A. 環乳1号による。 n-ヘキサン、ヒ素、重金属等を試験する。 告示434号は全体に適用する。

以上の通り質疑が行われ、次のとおりまとめられた。    

Q. 環乳1号で紙にラミネートしたものを除くとあるが今後どうなるか
A. 内容物が直接触れるものは、ポリエチレンに限定し添加剤は不使用のこと。 従って直接触れないものについては適用されない。   紙の端面は直接触れないものとして取扱っていきたい。

Q. 両面ワックスの例外承認を残すのか
A. 残す、従来承認していたものは承認するだろう。
承認制度をはずす為には多少無理をする。 近い将来改正する必要があると思われる、この時点でデータが揃えば考慮されるのではないか。
全体とし意見があれば事務局を通して言ってほしい。
課題として、蒸発残留物、過マンガン酸カリはデータを見て、1000ccフイルム容器 65mlの底強度、内圧法は別に連絡する。

以上の質疑応答の結果、技術委員会は、引き続き、翌昭和五十四年三月に至るまで、上記強度試験と衛生(溶出)試験を行い、データを収集して報告した。

このような経緯を経て、昭和五十四年三月三十一日に、「例外承認制度は残るが、今回規格化される型式に該当するものは、その規格基準によることとし例外承認は必要としない旨の改正」が、官報に公示され、四月十六日厚生省令第十七号をもって、乳等省令(昭和二十六年厚生省令第五十二号「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」)の一部が改正された。

昭和五十三年九月二十八日の技術委員会発足以来、短期間で厚生省の要請に応える為、技術委員会の長谷川尚明委員長(十條製紙)、島崎邦夫副委員長(日本テトラパック)、石原昌具副委員長(東罐興業)を始めとする当時の技術委員の方々は実に精力的に尽力された。後にこれらが当会の念願の「紙容器の自主規格基準」を作成する際に貴重な参考となったのである。

昭和五十四年は様々な規則に改変があった年で、協会は六月二十日(東京地区)、六月二十五日(関西地区)の二度にわたり厚生省担当官を招いて改正乳等省令の説明講習会を開催した。

また、十二月十八日(東京地区)と、十二月二十日(関西地区)には同年十二月十七日に承認された、「飲用乳の表示に関する公正規約及び同施行規則」の変更に関する説明講習会を開催している。この講演会には全国飲用牛乳公正取引協議会の下田、松崎両事務次長を招き、「乳飲料に於ける牛乳分、生乳分表示について」と「乳飲料と無果汁表示について」の二点の変更内容と表示について周知徹底を図った。

明けて昭和五十五年の二月五日(東京地区)、二月八日(関西地区)の両日には飲用乳同様に、十二月十七日に承認された「発酵乳乳酸菌飲料等の表示に関する公正規約及び同施行規則」の変更について、発酵乳乳酸菌飲料公正取引協議会内田理事を招いて説明講習会を開催した。

尚、当協会は、その後、昭和五十四年十月五日に上記「破裂強度」・「突き刺し強度」・「封かん強度」・「ピンホール」の各物理強度試験の実務を解説し、自主規格基準策定の基礎となる「乳等省令強度試験の実務解説書」を取りまとめ、会員に対して啓発活動を行った。

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